[1-P1-PM08] 胎生期マウス舌筋発生における筋芽細胞の分化制御

Author: 〇川本 沙也華1、田谷 雄二1、佐々木 康成2、埴 太宥1、工藤 朝雄1、佐藤 かおり1、添野 雄一1
Affiliation: 1日歯大 生命歯 病理、2神奈川こども医療セ 臨床研 歯科
Abstract: “【緒言】胎生期での骨格筋発生では、転写因子Nfixが胚性筋芽細胞から胎性筋芽細胞への分化制御に重要な働きをもつことが示唆されている。本研究では、舌筋発生に着目して筋芽細胞分化に働くNfixを中心とした分子機構について検討した。【材料と方法】ICRマウス胎仔(胎生10.5~18.5日)から発生段階の異なる舌原基および舌組織を採取し、DNAマイクロアレイ解析により遺伝子プロファイリングを行うとともに、その検証としてmRNAとmicroRNAの発現定量解析と免疫組織化学による局在解析を行った。さらに、舌筋でのNfixの分子機能を確かめるためにMorpholino ODNを使ったNfix阻害を行った。【結果および考察】舌原基におけるNfixの発現は、胎生10.5日から胎生11.5日にかけて急速に発現上昇して胎生14.5日で発現ピークとなり、その後、一定の発現量を維持していた。この解析から体肢骨格筋では胎生16.5日で発現ピークを示すことと異なる結果を得た。さらに、胚性および胎性筋芽細胞の両方の指標遺伝子(Myh3, 7, 8、およびMsc)がNfixと同様な発現パターンを示すことが判明した。舌原基内では、筋前駆細胞からMyoD陽性の筋芽細胞への分化時期とほぼ一致して、Nfix陽性筋系譜の細胞は胎生11.5日には出現し、胎生14.5日では多数の細胞局在が確認できた。また、Nfix発現阻害により、胎性筋芽細胞マーカー遺伝子の発現が抑制されることがわかった。以上のことから、Nfixは舌筋での胎性筋芽細胞の分化を担う重要な分子であり、胎性筋芽細胞への分化時期は四肢骨格筋と比べて早期に起こることが示唆された。本研究はJSPS科研費#15K11024, 21K09822の助成を受けた。”

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