[1-P1-PM13] 副甲状腺ホルモン製剤投与による皮質骨多孔化の細胞学的メカニズムについて

Author: 〇阿部 未来1、山本 知真也1,2、本郷 裕美1、Alireza Nasoori1、網塚 憲生1、長谷川 智香1
Affiliation: 1北大 院歯 硬組織、2陸自 真駒内駐屯地 
Abstract: 副甲状腺ホルモン(PTH)製剤間歇投与では、皮質骨多孔化が誘導されることが知られている。我々は、PTH間歇投与による皮質骨多孔化の細胞学的メカニズムを明らかにする目的で、生後6週齢C57BL/6JマウスにhPTH[1-34] (40μg/kg/day)を1日4回腹腔内投与し、投与1、3日、1、2、3週間経過後の大腿骨皮質骨の変化を組織学的に解析した。
その結果、PTH間歇投与マウスの大腿骨皮質骨では、骨幹端部成長板直下から骨幹部に向かって経時的に多孔化が進行するとともに、多孔化は皮質骨骨内膜側から生じる傾向が認められた。PTH非投与のコントロールマウスの皮質骨骨内膜側では、endomucin陽性血管が、骨表面を覆うALP陽性骨芽細胞の骨髄側に局在しており、また、TRAP陽性破骨細胞をほとんど認めなかった。ところが、PTH間歇投与マウスでは、ALP陽性骨芽細胞が皮質骨表面を覆っていたが、TRAP陽性/PDGFbb陽性破骨細胞とendomucin陽性血管が互いに接近した状態で骨表面近くに局在する傾向が認められた。また、一部のendomucin陽性血管は、TRAP陽性/PDGFbb破骨細胞とともに皮質骨内部へと侵入していた。
以上、PTH間歇投与では、TRAP陽性破骨細胞とendomucin陽性血管が互いに接しながら皮質骨骨内膜側に近づき、また、皮質骨内部へと侵入することが強く示唆された。このことから、PTH投与で骨リモデリングが亢進した皮質骨内部に血管が入り込むことによって、皮質骨多孔化の原因となる可能性が推察された。

メールで問い合わせ

0

コメント

タイトルとURLをコピーしました