[1-P1-PM15] 抜歯窩治癒過程におけるGli1陽性歯根膜細胞の分化能

Author: 〇藤井 彩貴1、建部 廣明2、溝口 利英3、志茂 剛1、細矢 明宏2
Affiliation: 1北医療大 歯 組織再建口外、2北医療大 歯 組織、3東歯大 口腔科学研究センター
Abstract: 【目的】抜歯窩治癒過程において、骨芽細胞が出現し抜歯窩を骨に置換することが知られている。しかしながら、修復時に現れる骨芽細胞が歯根膜あるいは歯槽骨のどちらに由来するかは不明である。近年、ソニックヘッジホッグ(Shh)シグナルの下流因子であるGli1は歯の発生過程において、幹細胞特性を示すことが知られている。そこで本研究では、抜歯窩治癒過程におけるGli1陽性細胞の動態をCre-loxPシステムを用いた細胞系譜解析で検討した。【材料および方法】タモキシフェンを2日間投与した4週齢Gli1-CreERT2;tdTomato (iGli1/Tomato)マウスの上顎第二臼歯を抜歯した。抜歯前と抜歯後1日、3日、7日に上顎骨を取り出し、H-E染色およびPCNA、Osteopontin、Osterixの免疫組織化学染色を行った。また、Gli1/Tomato陽性細胞の局在を観察し、一部のマウスは抜歯後にカルセインを隔日投与し,新生骨をラベルした状態で同様に検討した。【結果】抜歯後1日では抜歯窩周囲の歯槽骨表面に歯根膜様の結合組織がみられた。また、抜歯窩中央部に好中球を含む炎症性細胞が多数認められた。3日後、抜歯窩の炎症性細胞は消失し、PCNA陽性の増殖細胞が多数発現した。7日後、抜歯窩に既存の歯槽骨から離れてOsteopontin陽性の骨が島状に形成された。この新生骨表面には多くのOsterix陽性を示す骨芽細胞が配列していた。Gli1陽性細胞は抜歯窩で多数認められ、一部はカルセイン陽性の新生骨表面および内部に局在していた。【結論】歯根膜に存在するGli1陽性細胞は抜歯後に増殖し、新生骨の形成に寄与することが示された。

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