[1-P1-PM16] リン酸化多糖体/βTCP混合新規骨補填材によるインプラント周囲骨再生について

Author: 〇久保田 恵亮1,2、横山 敦郎1、網塚 憲生2、長谷川 智香2
Affiliation: 1北大 院歯 口腔機能補綴、2北大 院歯 硬組織発生
Abstract: “【目的】
インプラント治療時の骨移植では、自家骨のみならずβリン酸三カルシウム(βTCP)製材などの人工骨補填材も用いられている。本研究では、リン酸化プルラン(PPL)とβTCPを用いた新規骨補填材によるインプラント周囲骨再生について組織学的に検索することを目的とした。
【方法】
生後10週齢雄Wistarラット脛骨にPPL、βTCP、PPL+βTCPを填入後、チタンインプラントを埋入した。なお、control群はインプラントのみ埋入した。埋入1、2、および4週間後にインプラント周囲骨組織のμCT撮影を行った後、HE染色、TRAP染色、各種免疫組織化学を行うとともに、一部サンプルからtotal RNAを抽出し各種遺伝子発現をreal-time PCR法にて解析した。
【結果と考察】
埋入1週後では全ての群でインプラント周囲に細い海綿状の新生骨が認められた。新生骨やβTCPの表面が広範囲にわたってALP陽性骨芽細胞、前骨芽細胞で覆われる一方、TRAP/cathepsin K陽性破骨細胞は、インプラント体からやや離れた新生骨およびβTCPの表面のみで観察された。埋入2週以後になると、control群では経時的にインプラント周囲の新生骨が減少したが、PPL、βTCP、PPL+βTCP群では、PPLやβTCP上に新生骨が認められ、これら新生骨の連結性が維持されていた。また、埋入4週後のPPL、PPL+βTCP群では、control群と比較してAlp, Trap遺伝子、ならびに、細胞接着に関わる IntegrinαvIntegrinβ3遺伝子の発現が有意に上昇していた。
以上より、リン酸化プルランは、インプラント周囲の骨欠損部で新生骨の足場として機能するとともに、インプラント表面の骨を支持する骨梁を形成するのに役立っていることが推察された。”

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