[1-P1-PM44] 遺伝子改変マウスを用いた唾液腺・涙腺・膵臓におけるCdc42の機能解析

Author: 〇長瀬 春奈、設楽 彰子、大野 雄太、柏俣 正典
Affiliation: 朝日大 歯 薬理
Abstract: “【目的】低分子量Gタンパク質でRhoGTPaseの一種であるCdc42は上皮細胞極性形成のメディエーターとして働き、細胞骨格の形成や細胞内輸送などで重要な役割を果たす。しかし、外分泌組織における役割は未だ不明な点が多い。我々は、Cdc42がマウス顎下腺の発生後期と成熟維持期において、腺房細胞の分泌顆粒数や管腔形成を制御することを明らかにした。本研究では、外分泌腺特異的なCdc42コンディショナルノックアウト (KO) マウスを用いて、外分泌機能をもつ3種類の組織 (三大唾液腺、涙腺、膵臓) におけるCdc42の役割を検討した。
【方法】雄性の遺伝子改変マウスにタモキシフェンを投与し、Cre-loxPシステムにより外分泌腺特異的にCdc42KOを誘導した。2週間・4週間・3ヶ月経過後の組織重量、ピロカルピン (0.5 mg/kg, i.p.) 刺激時における唾液・涙液の分泌量、空腹時血糖値を測定した。さらに、各外分泌組織の形態を観察した。
【結果と考察】タモキシフェン投与後2週間、4週間、3ヶ月経過後において、唾液量は経時的に減少し、3ヶ月経過後では唾液分泌量がほとんど検出できないまでに至った。対照的に涙液分泌量の減少は認めず、体重あたりの分泌量はむしろ増加した。4週間経過後の顎下腺、涙腺、膵臓の組織重量は減少し、特に膵臓で著しい重量の減少を認めた。一方で空腹時血糖値に差は認めなかったため、膵臓の萎縮は外分泌腺のみが消失し、膵内分泌機能は維持されていると考えられた。形態観察では、Cdc42KOの各外分泌腺において管腔構造の乱れを認めた。これらのことから、Cdc42の外分泌組織に共通する役割として管腔構造の維持が考えられ、分泌機能における役割は組織で異なる可能性が示唆された。”

メールで問い合わせ

0

コメント

  1. 谷村明彦 より:

    ポスターのPDFでデータが表示されていないページがありますよ。

    0
タイトルとURLをコピーしました