[1-P2-PM34] S-PRGフィラーが口腔細菌に及ぼす抗菌効果と抗菌機序

Author: 〇河野 由1,2、田村 宗明3,4、今井 健一3,4
Affiliation: 1日大 大学院 歯 口腔構造機能分野、2日大 歯 口外、3日大 歯 細菌、4日大 総歯研 生体防御
Abstract: 【目的】近年、齲蝕や歯周病が全身疾患の発症に関わる可能性について数多く報告されている。これら口腔疾患の原因となる口腔病原菌数を減少させる口腔ケアは口腔内外疾患の予防として重要である。日々の効果的なセルフケアとして歯磨きがあるが、より効率よく歯垢を除去するために様々な成分を含有する口腔ケア剤が用いられている。しかし、成分によっては耐性菌の出現などが報告されていることから、長期使用可能な新たな抗菌成分を見出すことが急務である。S-PRGフィラーは6種のイオンを放出するリチャージ可能な新規バイオアクティブマテリアルであり、口腔細菌に及ぼす抗菌効果・機序に関する報告は未だ少ない。そこで今回、S-PRGフィラーの口腔内細菌に及ぼす抗菌機序と病原因子の抑制効果について検討した。【方法】S-PRGフィラー(株式会社 松風)を精製水に24時間浸漬した上清を試料(イオン水)とした。被験菌としてStreptococcus mutansS. mitisおよびPorphyromonas gingivalisを用いた。各細菌細胞をイオン水含有培地で培養後、細胞内のSOD量と過酸化水素量を測定した。また、イオン水によるS. mutansの付着能と、S. mitisのノイラミニダーゼ活性とP. gingivalisのジンジパイン活性を測定して病原因子への影響を調べた、【結果および考察】培地添加イオン水の濃度に依存してすべての細菌細胞内のSOD量と過酸化水素量が変化し、菌種によって差が認められた。さらにイオン水の存在によりそれぞれの病原因子も抑制されていた。以上の結果からS-PRGフィラーから放出されるイオン水は供試した口腔細菌に酸化ストレスを与えることと病原因子を抑制することが確認され、臨床応用への可能性が示唆された。(学会会員外協力者 日本大学歯学部口腔外科学講座 外木守雄,株式会社 松風 中塚稔之)【利益相反】利益相反状態にはありません。

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