[1-P2-PM33] Streptococcus mutans由来メンブレンベシクルによるActinomycesのバイオフィルム形成に対する細胞外DNAの影響

Author: 〇鈴木 到1、岩淵 祐介2、泉福 英信3
Affiliation: 1日大松戸歯 小児歯、2医科歯科大 院医歯 小児・障害者 、3日大松戸歯 小児歯 感染免疫
Abstract: う蝕原因菌の一つであるStreptococcus mutansは増殖の際に、メンブレンベシクル(MVs)を放出している。このMVsにはグルコシルトランスフェラーゼB(GtfB)とGtfCが結合し、Actinomycesを含む様々な初期付着菌のバイオフィルム形成の誘導に関与している。このバイオフィルム形成の誘導は、GtfCがGtfBよりも多くMVsに結合し、水溶性グルカンおよび非水溶性グルカンを合成することが関与している。しかし、その詳細は明らかになっていない。近年、口腔細菌の付着に細胞外DNA(eDNA)が関与することが明らかになった。そこで本研究では、S. mutans由来MVsによるActinomycesのバイオフィルム形成メカニズムにeDNAが影響するか検討を行った。様々なS. mutans由来MVsを採取するために、塩酸、乳酸、酢酸を用いて調節したpH6.0の0.25%スクロース含有トリプチケースソイ培地(TSBs)と、水酸化ナトリウムを用いて調節したpH8.0のTSBsおよび通常pH7.2のTSBsにて、S. mutans UA159を培養した。それぞれの培養上清から超遠心を用いてMVsを採取した。pH6.0 TSBsで培養して採取したMVsはGtfCの結合量が減少していた。pH8.0 TSBsで培養して採取したMVsはGtfCの結合量が増加していた。これらのMVsをActinomyces naeslundii X600に加えTSBsで培養すると、それぞれバイオフィルム形成が促進された。これらのバイオフィルム形成時にDNase-Iを添加すると、バイオフィルム形成が有意に抑制された。以上の結果から、GtfCの量に関係なくMVsに依存したA. naeslundiiのバイオフィルム形成は、eDNAが関与していることが明らかとなった。

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