[2-P1-P32] デスモゾーム構成因子Plakophilin 1は核内移行シグナルを介して細胞増殖を制御する

Author: 〇宮崎 佳奈子1、吉崎 恵悟1、傅 堯1、鮒田 啓太1、湯田 智美1、田 甜1、水田 敢士1、川原 純平1、福本 敏2、高橋 一郎1
Affiliation: 1九大 院歯 矯正、2九大 院歯 小児口腔
Abstract: 我々はこれまでの研究で、デスモゾーム構成因子であるPlakophilin 1 (PKP1)は歯の発生の進行に伴い、その局在を核から細胞膜へと移行させ、密着結合構成因子ZO-1と結合することを示してきた。しかしながら、PKP1の核内局在機構は未だ十分に明らかとなっていない。そこで本研究では、その分子機能の解明を目的として以下の解析を行った。マウス歯胚および歯原性上皮細胞株M3H1を用いて免疫染色法を行ったところ、PKP1はエナメル芽細胞分化期にZO-1と共に細胞間接着部位の頂端側で共局在した。さらに免疫沈降法および液体クロマトグラフ質量分析において両分子の結合を確認した。次に、CRISPR/Cas9システムを用いてZO-1 遺伝子欠損 (KO) 細胞株を樹立し、解析を行った。ZO-1 KO細胞株において、PKP1の局在が細胞膜から核内へと変化し、細胞増殖が上昇した。PKP1は核内以降シグナル配列 (NLS)を有しており、NSLが細胞内移行に重要である可能性が考えられる。そこでNLSに変異を導入したPKP1発現ベクターを作製し、強制発現させたところ、PKP1の核内移行が抑制された。同時に、免疫沈降法にて核移行タンパクであるimportinとの結合を認めたためPKP1がNLSを介して核内へ移行している可能性が示唆された。さらに、PKP1はその構造にarmadillo repeat domainを有しており、核内においてTCF/LEFを介したc-Mycの転写調節に関与している可能性がある。そこで、luciferase assayにてc-Mycの転写活性を確認したところ、ZO-1 KO細胞株で転写活性が上昇し、この上昇はPkp1 siRNAにて抑制された。以上の結果から、PKP1のNLSを介した核内への移行がc-Myc の発現に影響を与え、細胞増殖を調節している可能性が示唆された。

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