[2-P1-P30] 歯周病関連疾患の解明を目的とした歯周病モデルマウスの確立

Author: 〇小林 良喜、瀧澤 智美、齋藤 真規、桑原 紀子、泉福 英信
Affiliation: 日大松戸歯 感染免疫
Abstract: 近年、歯周炎が動脈硬化性疾患、糖尿病、アルツハイマー型認知症、低体重児の早期出産など全身疾患を増悪させるリスクファクターとして注目されている。歯周病の発症は歯周病原性細菌が有する様々な病原因子が宿主の免疫応答を撹乱することで惹起され,慢性化することで歯周組織のみならず全身の各臓器の病態形成に関与すると考えられる。歯周病関連全身疾患の発症機序を解明するには生体内で歯周組織から波及する炎症マーカーや免疫細胞動態を把握するために病態モデルマウスが必要である。そこで、我々は歯周病モデルマウスを作製し,生体内において炎症マーカーや免疫細胞動態の解明を試みた。5%カルボキシメチルセルロース溶液(CMC)に懸濁させた歯周病原性細菌Porphyromonas gingivalisもしくはAggregatibacter actinomycetemcomintansをBALB/cマウスの口腔内に15日間連続接種させた。対照としてCMCのみを同様に接種させた。口腔内接種後,歯肉組織中に炎症性サイトカインの産生を誘導された。さらに歯槽骨の水平的骨吸収や,RANKL/OPG比の増大やTRAP染色により破骨細胞の活性・誘導を認めた。歯周組織における免疫応答を検討したところ,CD11b+マクロファージ様細胞や,RANKL+CD4+T細胞が対照群に比べて増加していることが認められた。さらに,腸管のエフェクターT細胞の構成が変化するなど腸管免疫応答に影響することが認められました。以上の結果から,我々が確立した歯周病モデルは歯周病原性細菌が歯周組織だけでなく腸管の免疫細胞にも影響を与えることが示され,歯周病関連全身疾患の解明に有益である。

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