[2-P1-P29] THP-1細胞のプライミングによる歯周病原細菌のLPSに対する応答性の変化とLPS認識プラットフォームの遺伝子発現変化の解析

Author: 〇片岡 嗣雄、森 大気、引頭 毅
Affiliation: 朝日大 歯 口腔微生物
Abstract: 【目的】歯周病原細菌のリポ多糖(LPS)は炎症や破骨細胞活性化を誘導する主要な病原因子として知られている。宿主細胞によるLPSの認識には、細胞表面ではToll-like receptor(TLR)4を中心とするプラットフォーム、また細胞内ではインフラマソーム活性化をもたらすNLRP3を中心とするプラットフォームならびにインターフェロン誘導性のGuanylate-binding proteins(GBPs)を主体とするプラットフォームの3系統が使用される。本研究では、ヒト単球系細胞株THP-1を用い、異なる因子でプライミングすることにより歯周病原細菌のLPSに対する応答性やLPS認識プラットフォームの遺伝子発現が変化することを見出したので報告する。【方法】LPSはFusobacterium nucleatum ATCC25586から抽出した。THP-1を細菌由来合成リポペプチド(Pam3CSK4)、IL-17AまたはIFN-γで24時間プライミングした後にLPSで刺激し、産生されたIL-1βをELISAで定量して応答性を評価した。LPS認識プラットフォーム構成分子の遺伝子発現はリアルタイムPCRにて評価した。【結果と考察】プライミングしていないTHP-1はLPSに対して応答性を示さなかった。各種因子でプライミングしたTHP-1はTLR4の遺伝子発現が増加し、また応答性が増強された。特にIFN-γによるプライミングではGBPsやCaspase 4の発現が大きく増加し、応答性も大きく増強されていた。以上より、プライミングによりLPS認識プラットフォームの遺伝子発現が誘導されてLPSへの応答性は変化するが、特にIFN-γは、GBPsを主体とするLPS認識プラットフォームの発現を強く誘導し、LPSへの応答性を増強する効果が高いことが明らかになった。

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