[2-P1-P28] マウス舌癌モデルにおけるMyeloid-derived suppressor cells (MDSCs)の浸潤に関わるケモカインの検討

Author: 〇森 一将1、廣井 美紀2、松本 安吏1、牛尾 亮介1、大森 喜弘2
Affiliation: 1明海大 歯 口腔顎顔面外科、2明海大 歯 微生
Abstract: “【目的】Myeloid-derived suppressor cells(MDSCs)は、頭頸部扁平上皮癌においても浸潤が認められているが、口腔潜在的悪性疾患から癌病変へ移行過程におけるMDSCsの浸潤と関連するケモカインの発現は未だ不明な点が多い。今回演者らは、発癌物質4-nitroquinoline 1-oxide (4NQO)を用いたマウス舌癌モデルを用いて口腔潜在的悪性疾患である上皮異形成から癌病変への過程におけるGr-1 (LY-6G)陽性MDSCsの浸潤とケモカイン発現の関連について検討した.【方法および結果】1.化学発癌物質によるマウス舌白板症、扁平上皮癌モデルの作製6-12週齢のC57BL/6マウスを用い、飲料水中にDNA傷害剤 4NQOを添加, 16週間連続経口投与し, その後通常飲料水に変えさらに12週飼育した。舌病理組織学的検討から16週後の舌にhyperplasia、mild dysplasia、28週後にmildおよびmoderate dysplasia、squamous cell carcinomaの病変形成が認められた.2. マウス舌組織から total RNAを調製し, ケモカイン遺伝子Ccl3, Ccl4, Cxcl3およびCxcl5 の動態をリアルタイムRT-PCRにより検討した.その結果, Ccl3、Ccl4の発現は16週マウスに比較し28週マウスは有意に増加が認められた. Cxcl3、Cxcl5の発現も増加傾向が認められた.3. Gr-1+ MDSCsの浸潤を免疫組織学的に検討した結果, Gr-1+ MDSCsは4NQO投与28週マウスにおい対照群マウスと比較して有意な増加を認めた(p<0.0001). また4NQO投与16週マウスに比較し28週マウスにおいて有意な増加が見られた(p = 0.003).4. Gr-1+ MDSCsの浸潤とケモカイン遺伝子を解析した結果, Gr-1+ MDSCsとCcl3, Ccl4, Cxcl3, およびCxcl5 との間に有意な正の相関関係を認めた.【考察】発癌物質4NQOによるマウス前癌病変から扁平上皮癌への進行に伴い, ケモカインCcl3, Ccl4, Cxcl3およびCxcl5 の発現が上昇し, Gr-1+ MDSCsの誘導および局所への浸潤を促している可能性が示唆された .”

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