[2-P2-P68] レプチンによる甘味細胞応答の抑制メカニズム

Author: 〇吉田 竜介
Affiliation: 岡山大 院医歯薬 口腔生理
Abstract: レプチンは脂肪細胞から放出される、摂食抑制に働くホルモンであり、甘味応答を抑制することが知られている。そのターゲットは甘味受容細胞であり、レプチン受容体Ob-Rbを介しKATPチャネルを活性化することで甘味細胞の応答を抑制することを以前に報告した。しかしながら、Ob-RbからKATPチャネルに至る細胞内シグナル伝達経路については明らかとなっていない。本研究では、甘味細胞におけるレプチンのシグナル経路(PI3キナーゼ、STAT3、SHP2の関与)について検討した。甘味細胞を同定するため、甘味受容体コンポーネントTAS1R3を発現する細胞がGFPを発現する遺伝子改変マウスを用い、味孔側と基底側を完全に区別して刺激できる独自の味細胞応答記録システムによってTAS1R3発現味細胞からショ糖に対する応答を記録した。そのショ糖応答は、基底側へのレプチン投与により一部のTAS1R3発現細胞で抑制されたが、PI3Kキナーゼ阻害剤によりその効果は消失した。一方、STAT3阻害剤やSHP2阻害剤は効果を示さなかった。また、酵素処理により剥離した舌上皮標本を用い、レプチン刺激によるPIP3の産生を免疫組織化学的に検討したところ、一部のTAS1R3発現細胞でPIP3産生が見られ、これはPI3キナーゼ阻害剤により抑制された。また同様に、レプチン刺激により一部のTAS1R3発現細胞でArkのリン酸化が確認された。以上の結果から、レプチンは味細胞に発現するOb-Rbを介し、PI3キナーゼを活性化することでPIP3を産生し、またArcのリン酸化が生じ、これらによりKATPチャネルが活性化されることで甘味応答を抑制すると考えられる。

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