[3-P2-P128] Mitf遺伝子変異は酸化ストレスにより咬筋組織リモデリングを誘導する

Author: 〇成山 明具美1、大貫  芳樹2、吹田 憲治2、伊藤 愛子3、石川 美佐緒4、松尾 一朗5、早川 佳男6、朝田 芳信1、奥村 敏2
Affiliation: 1鶴大 歯 小児歯 、2鶴大 歯 生理、3鶴大 歯 矯正、4鶴大 歯 解剖I、5鶴大 歯 歯周病 、6鶴大 歯 麻酔
Abstract: 【目的】これまで我々は、小眼球症関連転写調節因子Mitf (Microphthalmia-associated transcription factor) 遺伝子の変異が咬筋において、肥大や線維化、アポトーシスなどの組織リモデリングを誘導することを報告してきた。一方、酸化ストレスは、生体内においてDNA変異、蛋白質の変性、酵素の失活をもたらし、生体酸化損傷を増加させ、組織リモデリングを伴う様々な疾患や老化亢進につながると考えられている。そこで、今回我々は、mitf遺伝子変異型マウス(mi/mi)を用いて、この変異が咬筋の酸化ストレスに及ぼす影響について解析した。【方法】12週齢雄のmi/miおよび野生型(WT)マウス咬筋の筋線維横断面積 (CSA; μm2)、線維化、アポトーシスおよび酸化ストレスについて組織学的解析を行った。さらに、線維化、アポトーシス、酸化ストレスに関連するシグナル因子の活性化レベルをウェスタンブロッティング法にて解析した。【結果】組織学的解析によりmi/mi咬筋では、WTと比較してCSAの減少および線維化領域とアポトーシスの増加がみとめられた。さらに、mi/mi咬筋ではWTと比較し、酸化ストレスのマーカーである8-OHdG陽性細胞の割合は有意に増加した。加えて、酸化ストレスのシグナル因子であるNox2およびカルボニル化タンパクは、WTと比較し、mi/mi では有意に増加した。【結論】以上の結果から、mitf変異は骨格筋(咬筋)の組織リモデリング(筋委、線維化、アポトーシス)を誘導し、そのメカニズムの1つとして酸化ストレスの上昇が示唆された。

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