[2-P2-P58] 歯髄幹細胞由来無血清培養上清は坐骨神経結紮モデルマウスの神経障害性疼痛を改善する

Author: 〇加納 史也1、リュー ヤオ1,2、橋本 登1、松香 芳三3、田中 栄二2、山本 朗仁1
Affiliation: 1徳大 院医歯薬 組織再生制御、2徳大 院医歯薬 顎顔面矯正、3徳大 院医歯薬 顎機能再建
Abstract: 背景:「疼痛」は身体への侵襲や損傷を知らせる重要な感覚である.しかし損傷が修復しても遷延する「神経障害性疼痛」がある.そのメカニズムは神経損傷に伴う神経節内や脊髄内のマクロファージ/ミクログリアの炎症変性であることが知られている.マクロファージ/ミクログリアはその機能によりM1とM2に分類される。神経損傷時に発現する炎症性M1を抗炎症性M2に誘導することができれば、神経障害性疼痛の新たな治療戦略になることが考えらえる.本研究では,坐骨神経結紮によって誘発された神経障害性疼痛モデルマウスにSHED-CMを投与し、その治療有効性を検証した。方法:PSLマウスにSHED-CMを投与し、M2マクロファージ、リコンビナントMCP-1、sSiglec-9タンパク質、M2-CM、線維芽細胞-CMを除去した。In vitroでTNF-αにより活性化したヒトシュワン細胞(SC)をM2-CMで処理した。傷害を受けた坐骨神経(SCN)、後根神経節、脊髄(SP)における炎症性メディエーター、神経保護因子、侵害受容体、M1、M2、活性化グリア細胞のマーカーの発現をRT-PCRと免疫組織化学で評価した。PSLマウスの機械的アロディニアはvon Freyテストで解析した。結果:行動試験では,SHED-CM投与によりアロディニアなどの過敏な反応は抑制された.結紮した坐骨神経と同側L3/L4後根神経節でのM2マクロファージ/ミクログリアの集積を認めた.脊髄組織ではアストロサイトやミクログリアの活性を著しく抑制していた.また,体内のM2マクロファージを特異的に除去するm-clodronateを投与するとSHED-CMの治療効果は減弱した.結論:SHED-CMは、鎮痛作用のある抗炎症性M2マクロファージを誘導することで、NPを改善することが示唆されました。

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