[3-P1-P91] 短鎖脂肪酸の経口摂取が唾液腺と唾液中IgAレベルに与える影響

Author: 〇山本 裕子1、猿田 樹理2、坂口 和歌子3、東 雅啓4、槻木 恵一3
Affiliation: 1神歯大 短大 歯科衛生、2神歯大 教育企画、3神歯大 病理・組織 環境病理、4神歯大 解剖 口腔解剖
Abstract: 【目的】我々はこれまでに動物実験で、難消化性糖類添加により盲腸で産生された短鎖脂肪酸(SCFAs)が唾液中IgA分泌速度の増加に関与する可能性を明らかにしてきた。しかしSCFAs単独の作用で唾液中IgA分泌速度を増加させるかどうかは明らかになっていない。本研究ではSCFAsの経口摂取と摂取期間が唾液中IgA分泌速度に与える影響について明らかにすることを目的とした。【方法】SCFAs摂取の有無と摂取期間を要因とした2×4の二元配置とした。5週齢ラットをAIN76のコーンスターチ15%とセルロース5.0%をグラニュー糖に置換した無繊維飼料と塩化Na水溶液で1週間予備飼育後に、コントロール群には21 mM塩化Na水溶液を、SCFAs群には酢酸Na70 mM、プロピオン酸Na30 mM、酪酸Na20 mMに調整した水溶液を自由摂取させた。Na濃度は試験区間で同一に設定した。0週、1週、2週、4週後に盲腸組織、盲腸内容物、血清、顎下腺、唾液を採取した。唾液、盲腸内容物、血清のIgA濃度はELISA法にて測定した。また盲腸組織重量および盲腸内容物重量、盲腸内容物pHを測定した。【結果】唾液中IgA分泌速度には、SCFAs摂取の有無とSCFAs摂取期間の交互作用が認められ(p=0.0004)、SCFAs摂取群の4週の方がコントロール群の4週と比較して高値が認められた(p<0.05)。【考察】SCFAsを経口摂取することにより、摂取4週に唾液中IgA分泌速度が高くなる可能性が示された。難消化性糖類摂取では種々の要因が入るために明らかにできなかったが、SCFAsの作用で唾液中IgA分泌速度が上昇することが明らかとなった。

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