[3-P2-P131] 炭酸アパタイト系人工骨を用いた歯槽骨再生時の微小循環への影響

Author: 〇東 雅啓、松尾 まりあ、劉 宇豪、松尾 雅斗
Affiliation: 神歯大 口腔解剖
Abstract: “歯周組織再生療法においてこれまでに様々な材料が利用されてきた。炭酸アパタイト(CO3Ap)は、再生の足場として働くと共に、他家骨や異種骨のような感染症の危険が少ない安全な骨再生材料の一つである。これまでに我々は歯槽骨形成時における微小循環の関連性を検討してきた。本研究では、炭酸量や気孔率など物性が異なる二種類のCO3Ap応用時における組織再生過程の相異を、微小循環系に着目して形態学的に検討した。全身麻酔下においてビーグル犬(雌、12カ月齢)6頭を用いて,両側上下前臼歯部の抜歯窩内に 2種類のCO3Ap 系人工骨顆粒(A群:Cytrans Granule®, 直径300-600μm; GC社製、B群:Synoss®, 直径350-1000μm; ACE社製)を左右別に密に充填した。術後14、30、90日に灌流固定を行い、上顎はHE染色組織標本とした。下顎は下歯槽動脈よりメチルメタクリレート樹脂を注入し血管鋳型標本を作製し走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。(神奈川歯科大学実験動物倫理委員会承認番号18-029)結果として14日後から30日後までは両群ともほぼ同様の所見を示していた。14日後、顆粒は抜歯窩内部に多数残存し、血餅と新生血管に取り囲こまれ、周囲に骨芽細胞が存在した。30日後においては、明確な骨添加により骨梁と骨髄が再生していた。90日後、歯槽骨の垂直的高さは両群とも回復していた。 A群では顆粒を取り込んで骨形成が行われ、抜歯窩は緻密な骨形成像が観察された。一方B群では、顆粒の吸収が進行し、骨梁と広範な骨髄腔を有していた。これらの結果から、CO3Ap 顆粒周囲に新生血管が分布することで骨添加が促進され、骨形成には微小循環が関わっていると考えられた。さらにCO3Ap 顆粒の物性の違いが、骨再生過程における組織形態に影響を与えることが示唆された。”

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