[1-P1-PM10] Growth Differentiation Factor 5 (GDF5)による高密度培養の未分化間葉細胞遊走に与えるBMP受容体―Smads経路の役割の検討

Author: 〇竹崎 公章1、新留  裕子2、林 慶和1、畠山 純子3、米田 雅裕3、畠山 雄次1、玉置 幸雄2
Affiliation: 1福歯大 機能構造、2福歯大 矯正、3福歯大 総合歯
Abstract: 【目的】Growth Differentiation Factor 5 (GDF5)はBMPファミリーに分類される成長因子であり、in vitroにおいて軟骨形成促進することが報告されている。またin vivo においては軟骨原基形成予定領域、軟骨膜、関節形成領域の細胞凝集にGDF5の発現が認められる。これまでGDF5の細胞凝集に果たす役割について様々な検討がなされてきたが作用機序の詳細については不明である。そこでGDF5の細胞凝集に与えるSmad経路の役割を細胞遊走に着目して検討を行った。【試料および方法】マウス未分化間葉細胞株C3H10T1/2の1.5-2.0x 107cells/ml細胞懸濁液を細胞培養シャーレに滴下し高密度培養を行った。初期細胞接着の後、細胞接着領域をピペットチップにて細胞を剥離した。直ちにリコンビナントマウス GDF5添加細胞培地に交換し、同一無細胞領域を1時間毎に写真撮影を行い、画像上にて領域面積を計測した。またBMP 受容体-Smads経路阻害剤としてK02288を添加した。未分化間葉細胞の軟骨形成能は、GDF5およびK02288添加、または無添加培地にて3日間培養後アルシアンブルー染色を施した。また7日間培養後、酸性ムコ多糖産生量測定を行った。無細胞領域の計測は各群5つの細胞培養において、また酸性ムコ多糖測定は各群6つの細胞培養において計測した。【結果と考察】培養3日後のGDF-5添加群は無添加群と比較してアルシアンブルー染色に強く染まり、培養7日後の酸性ムコ多糖産生量は有意に増加した。一方、K02288添加群ではアルシアンブルー染色で弱く染まり、酸性ムコ多糖産生量は有意に抑制された。GDF5添加群の無細胞領域の面積は無添加群と比較して有意に減少した。一方、K02288添加群ではGDF5添加群と比較して無細胞領域の面積は減少しなかった。これらのことから高密度培養においてGDF5は軟骨基質産生を促進し、高密度培養初期において未分化間葉細胞の遊走を促進するが、これらはBMP受容体Smad経路が関与する可能性が示された。

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コメント

  1. 岡村 裕彦 より:

    Micromass cultureに興味があります。
    簡単にMethodをお教えいただけませんでしょうか?

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