[1-P1-PM11] 一軸性伸展刺激により in vitro で骨芽細胞分化を促進する条件の検討

Author: 〇竹本 史子1,2、福原 瑶子1、池亀 美華1、上岡 寛2、岡村 裕彦1
Affiliation: 1岡大 院医歯薬 口腔形態、2岡大 院医歯薬 矯正
Abstract: 【緒言】機械的刺激は,骨量の維持と骨芽細胞の分化や機能に不可欠な要素であり,そのメカニズムの解明は歯科矯正治療への応用や骨関連疾患の原因解明に重要である。骨芽細胞の分化や機能に及ぼす機械的刺激の作用メカニズムの解析には,培養細胞を用いた様々な in vitro の実験系が開発されてきた。しかし,骨芽細胞分化を促進する条件は機械的刺激を与える装置により異なるため,使用する装置や研究目的に応じて刺激条件を詳細に検討する必要がある。本研究では,培養細胞に一軸性伸展刺激を与える装置(ShellPa)を用いた際の骨芽細胞分化を促進する条件を検討した。【方法】 マウス頭蓋冠由来骨芽細胞様細胞株 MC3T3-E1 を,コラーゲンコーティングした シリコン製ストレッチチャンバーに播種した。成長培地にて 24 時間培養した後,分化培地に代え,ShellPa を用いて一軸性伸展刺激を与える群(刺激群)と非刺激群に分けた。刺激 群に与える刺激の種類は間欠的または持続的伸展刺激とし,伸展率やサイクル数を変更しながら条件検討を行った。 【結果および考察】骨芽細胞分化マーカー遺伝子の発現を経時的にリアルタイム PCR で調べた。10%伸展率で 6 時間の持続伸展刺激を与えた群では,分化マーカーの発現増加は認められなかった。一方,10%伸展率で 6 時間の間欠的刺激を与えた群では,72 時間後に非刺激群と比較してRunx2およびOsterixの有意な発現増加を認めた。以上より,今回使用した装置 ShellPaでは,10%伸展率で 6 時間の間欠的刺激を与える条件が,骨芽細胞分化の促進にふさわしいものと考えられた。今後はこのシステムを用いて機械的伸展刺激による骨芽細胞分化促進に関与する因子を検討する予定である。

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