[1-P1-PM19] 乳歯幹細胞の細胞外小胞を介した全身性エリテマトーデスの新規治療メカニズムの解明

Author: 〇園田 聡一朗、山座 孝義
Affiliation: 九州大学大学院歯学研究院分子口腔解剖学分野
Abstract: 【目的】乳歯幹細胞(SHED)による移植治療はMRL/lprマウスにおける全身性エリテマトーデス(SLE)様症状に対する有効性が知られている。しかし、そのメカニズムには不明な点が残されている。本研究ではSHEDの放出する細胞外小胞(SHED-EVs)に着目し、MRL/lprマウスにおけるSLE様症状に対する治療効果およびそのメカニズムを解析した。【方法】SHED-EVsはSHEDの培養上清から単離した。未処理のSHED-EVsとRNase処理を行なったSHED-EVsをMRL/lprマウスに経静脈的に投与し、SLE様症状の治療効果の比較解析を行なった。また、SHED-EVs移植後のMRL/lprマウスの骨髄間葉系幹細胞(BMMSCs)を単離し、造血ニッチ形成能と免疫調節能、テロメラーゼ活性、SLE様症状の治療効果を解析した。【結果】SHED-EVs移植によりMRL/lprマウスのSLE様症状が改善し、宿主BMMSCsのTert遺伝子発現を促進し、テロメラーゼ活性を正に制御することで、造血ニッチ形成および免疫調節能を改善することが示された。RNase処理を施したSHED-EVsの移植ではSHED移植による宿主BMMSCsのテロメラーゼ活性の亢進はみられず、SLE様症状に対する治療効果が抑制された。SHED-EVs移植後の宿主BMMSCsをMRL/lprマウスへ移植するとSLE様症状が改善することが示された。【考察】本研究によって、SHED-EVsが内包するRNA成分によるテロメラーゼ活性の制御を介して宿主BMMSCsの機能を回復し、SLE様症状を改善する事が示された。SHEDによる細胞移植治療における細胞外小胞を介した新規メカニズムを明らかにした。

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