[1-P1-PM21] ラット大唾液腺介在部における線維芽細胞と筋上皮細胞の関係

Author: 〇小野澤 豪1,2、長坂 新1、坂東 康彦1、崎山 浩司1、天野 修1
Affiliation: 1明海大 院歯 解剖、2明海大学 院歯 口腔外科
Abstract: 唾液線が唾液分泌機能を発揮するためには、周囲の結合組織と腺房や導管の連携が必須であり、これらの解明は、唾液腺の構造と働きを理解する上で必要不可欠である。しかし、実質や間質の神経、血管分布に比べ、間質の本体である線維芽細胞の分布や形態についての研究はほとんどない。本研究では、ラット大唾液腺について、線維芽細胞に特異的に発現するHSP47を用いた免疫組織化学的染色を行い、線維芽細胞の局在と形態について詳細に解析した。ウィスター系8週雄ラットを潅流固定し、3大唾液腺及び膵臓を摘出、その後、厚さ20μmの切片を作成し、抗HSP47抗体を用いて免疫染色を行い、蛍光顕微鏡または共焦点レーザー走査型顕微鏡を用いて観察を行なった。比較のため、HE染色と、筋上皮細胞のマーカーであるα平滑筋アクチンに対する抗体を用いた二重免疫染色も行なった。3大唾液腺において、小葉間線維芽細胞はサイズが大きく、小葉内線維芽細胞とは明瞭に区別できた。小葉内線維芽細胞は小型で疎に散在していたが、介在部導管を取り巻くように突起を伸ばし、筋上皮細胞のすぐ外側に線維芽細胞による鞘状の集団が観察された。しかし、筋上皮が無い膵臓外分泌部の介在部導管では同様のHSP47陽性線維芽細胞の集団は認められなかった。以上の結果から、ラット大唾液腺の介在部導管周囲には、線維芽細胞による鞘状の構造物(介在部導管周囲鞘)が特異的に存在し、縦走する筋上皮細胞の突起も認められることから、筋上皮による導管収縮の回復に関与すると考えられる。

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