[1-P1-PM26] Artepillin CおよびPPAR-γ阻害、GW9662による抗CD3抗体刺激マウス脾臓細胞のサイトカイン産生の修復

Author: 〇髙橋 萌1、Kamiya Masako3、Kawaki Harumi2、Ikeno Kumiko4、Takayama Eiji2、Nakamura Genjiro4、Umemura Naoki2、Ueno Kyohei2、Muramatsu Yasunori1、Kondoh Nobuo2
Affiliation: 1朝日大 歯 口外、2朝日大 歯 口腔生化、3朝日大 営 化学、4株式会社 秋田屋本店 研究開発
Abstract: ブラジル産プロポリス(BP)の免疫修飾作用はその主成分であるartepillin CによってTリンパ球が制御されており、そのサイトカイン発現調節についての知見を我々は本学会で報告している(鶴田はねみ、他)。本研究では、artepillin C の受容体の一つと考えられているperoxisome proliferator-activated receptor (PPAR)γの阻害物質として知られている、GW9662を用いて、それが単独またはartepillin Cとの共存下において、抗CD3抗体刺激脾細胞のサイトカイン産生能にどのような影響をおよぼすか検討した。その結果、刺激脾細胞のIL-2産生は、artepillin C(12.5μM)存在下で顕著に促進され、同様にIL-4産生は有意に、またIL-10産生も促進される傾向が観られた。大変興味深いことに、これらサイトカイン産生はGW9662(10 μM)存在下で有意に促進され、さらにartepillin Cとの共存下では相乗的に促進された。一方、IFN-γ、IL-6,IL-17産生はartepillin C(12.5μM)またはGW9662(10 μM)存在下で抑制され、これらの共存下では効果的に抑制された。以上の事実から、artepillin C およびGW9662は協調的に刺激脾細胞の異なるサイトカイン産生を促進または抑制することが示され、これらの物質がPPAR-γを介した特異的な機構により、多様なサイトカイン制御に関与する可能性が示された。現在、その調整メカニズムについて解析を進めると共に、artepillin Cによって引き起こされるサイトカイン調整の細胞生物学的意義についても検討を進めている。

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