[1-P1-PM27] HUCPVCの分化に及ぼす塩基性線維芽細胞増殖因子の影響

Author: 〇矢部 正浩1、唐木田 丈夫2、山本 竜司2、野々山 駿1、山越 康雄2、長野 孝俊1、五味 一博1
Affiliation: 1鶴大 歯 歯周病、2鶴大 歯 分子生化
Abstract: 医療廃棄物として処理される臍帯は間葉系細胞の豊富な供給源であり、非侵襲的に得ることが可能である。特にヒト臍帯血管内細胞(HUCPVC)は骨髄間葉系幹細胞の代替細胞として再生医療への応用が期待されている。一方、塩基性線維芽細胞増殖因子(b-FGF)は歯周組織再生手術に適用されており、歯周組織再生が誘導されることが明らかになっている。【目的】本研究ではHUCPVCにb-FGFを添加することにより硬組織形成細胞への分化を誘導するかの検証を行った。【材料と方法】本研究ではHUCPVCにb-FGF添加後、経時的にHUCPVCの細胞増殖能、アルカリホスファターゼ(ALP)活性の測定およびリアルタイムPCR(RT-PCR)により硬組織関連遺伝子発現の測定を行った。また、b-FGF、活性型ビタミンD、LDNを併用することにより、硬組織形成細胞への分化能の影響についての比較検討も行った。【結果と考察】HUCPVCにb-FGF、活性型ビタミンD、LDNあるいは活性型ビタミンD、LDNを添加することでALP活性の上昇とRUNX2、オステオポンチンの発現上昇が見られた。特にb-FGF、活性型ビタミンD、LDNにおいて最も反応が強かった。また、細胞増殖能測定ではHUCPVCにb-FGFを添加することによってコントロールに比べ増殖速度が高かった。一方、b-FGF、活性型ビタミンD、LDNを添加することでALP活性は上昇するものの増殖速度は低下した。【結論】これらの実験からHUCPVC細胞に対するb-FGFの作用は、活性型ビタミンD、LDNの存在下でHUCPVCを硬組織形成細胞へと分化させALP活性の上昇をもたらすと考えられる。

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