[1-P1-PM28] 骨タンパク質に含まれる骨再生促進因子の同定と効果の検証

Author: 〇齊藤 悠1,2、山本 竜司2、白井 麻衣1、大熊 理沙子2、山越 康雄2
Affiliation: 1鶴大 歯 有床義歯補綴、2鶴大 歯 生化
Abstract: 抜歯後の周囲骨吸収に対し,メンブレンによるスペースメイキングの有用性は知られているが生理活性物質を含むメンブレンは少ない. 過去の研究でメンブレンに脱灰骨シートを用いたところ,骨再生の促進効果が得られ,その効果はシートに含まれる骨タンパク質に起因すると考えられた. 【目的】本研究は脱灰骨中に含まれる骨タンパク質の骨再生促進因子の同定と効果の検証を目的とした. 【材料および方法】6週齢雄性SDラット脛骨より,塩酸グアニジン(G1画分)-塩酸(H画分)-塩酸グアニジン(G2画分)と骨タンパク質を段階的に抽出した.抽出した骨タンパク質は電気泳動,ウェスタンブロッティング(WB)および質量分析を行った.また、大腿骨を塩酸グアニジン処理後,塩酸で脱灰し,1辺3 mmに成形し脱灰骨シートDBS-Pとした.DBS-Pより塩酸グアニジンで骨タンパク質を溶出させたシートをDBS-E,DBS-Eに脛骨由来G2画分を再吸着させたシートをDBS-R,比較対象として同様の操作をG2画分なしで行ったシートをDBS-Cとした.作製した4種の脱灰骨シートをラット四肢の腋下皮下に各々移植し(n=3),8週後に屠殺,micro-CT撮影および非脱灰切片を作成し観察をした.【結果】抽出した骨タンパク質は電気泳動から各画分に特有のタンパク質の存在が確認された.また、WBにて分子量50-64kDaの領域にオステオポンチン(OPN)抗体に陽性を示すバンドが検出された.移植実験ではmicro-CT画像より、DBS-Pは高度に,DBS-Rでは軽度に石灰化している部位を認めた.【考察】G2画分中にはOPNを含む骨タンパク質が存在し、これらが骨増生を促進していることが示唆された.生体移植実験でもG2画分を含む脱灰骨シート(DBS-P,DBS-R)で石灰化が観察されており、G2画分に骨増生関連因子を含むことが示されている.

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