[1-P1-PM46] 透明化技術を用いた扁平上皮癌細胞による骨破壊と骨形成抑制のイメージング解析

Author: 〇島谷 真梨1、谷村 明彦2、根津 顕弘2
Affiliation: 1北医療大 歯 組織再建口外、2北医療大 歯 薬理
Abstract: 【目的】口腔悪性腫瘍はしばしば顎骨浸潤を認めるが、骨破壊メカニズムは未だよくわかっていない。本研究では、3種類の蛍光色素を用いて頭蓋骨の石灰化部位を経時的に染色し、共焦点レーザー顕微鏡を用いて扁平上皮癌細胞による骨破壊像及び骨形成抑制の過程を解析したので報告する。【方法】4週齢の雄C3Hマウスにカルセイン(CL)20mg/kg、その7日後にアリザリンレッド(AR) 40mg/kgを腹腔内投与した。その翌日にマウス扁平上皮癌細胞(1×106)を頭頂骨直上に移植して癌骨浸潤モデルマウスを作成した。癌移植後2日、6日、9日にテトラサイクリン(TC)40mg/kgを腹腔内投与し、その翌日に頭頂骨を摘出してホルマリンで固定した。Scaleを用いて透明化し共焦点レーザー顕微鏡にて観察した。【結果】癌移植3日後では外観からの膨隆は見られず皮下に長短径約3mmの癌組織が確認された。癌は移植7日後に長短径約7mm、10日後では約10mmの膨隆として認められた。癌移植3日後の癌発生部位の頭頂骨を共焦点レーザー顕微鏡で観察したところ、CL層及びAR層に骨破壊像は見られなかったが、TC層の一部に非染色部位が認められた。7日後では、TC層、AR層、CL層に非染色部位が認められ、10日後ではTC層はほぼ消失して、AR層、CL層の非染色部位が拡大した。【考察】TC層の染色性から癌組織の成長に伴って骨表面での骨形成が抑制されることが示唆された。また、CL層よりAR層で大きな骨破壊が見られた事から、骨表面から深部に向かって骨吸収が進行することが示唆された。今後、ライブイメージング観察によって、癌による骨浸潤や骨破壊の過程をより詳細に解析できると期待される。【結論】共焦点レーザー顕微鏡と透明化技術を用いた骨形成イメージングによって、癌による骨破壊及び骨形成抑制の過程を可視化することができた。共同研究者 志茂剛

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