[1-P1-PM47] 骨粗鬆症治療薬PTH製剤による骨微細構造および骨コラーゲンの整調効果の解明-新規蛍光イメージング解析による定量的トポロジー解析による骨質評価法の確立-

Author: 〇佐藤 孝紀、李 智媛、飯村 忠浩
Affiliation: 北大 院歯 薬理
Abstract: “【背景】骨粗鬆症治療薬PTH製剤:テリパラチド(TPTD)は、骨形成促進作用により骨強度を改善し、骨量低下による骨折の予防効果を示す。骨強度の改善には、骨量のみならず、骨の微細構造や生化学的特性など骨質の改善が重要である。骨量の画像解析技術は既に確立されているが、骨質を可視化・定量化する画像解析技術は十分に確立されていない。本研究では、ラットおよびカニクイザルの骨粗鬆症モデル動物を用いて、骨質を規定する骨微細構造パターンやコラーゲン線維のトポロジー特性を定量評価する手法を構築し、TPTDの骨質に対する薬理効果を検討した。
【方法】雌性ラット(13週齢)およびカニクイザル(9~15歳齢)に卵巣摘出術(OVX)を行い骨粗鬆症モデルとした。骨代謝マーカー、骨形態計測により、OVX 群、TPTD投与群、偽手術群の比較検討を行なった。さらに腰椎を採取し非脱灰骨組織切片を作成し、カルセイン由来の新生骨蛍光シグナルと、骨コラーゲン由来の第2次高調波シグナルを、網羅的にイメージングした。さらにA Iを活用した自動空間蛍光解析法を構築し、骨新生の空間パターンおよび骨コラーゲン線維のトポロジー特性を定量的に解析した。
【結果・考察】新生骨形成面の連続性および骨コラーゲン線維の連続性が、TPTD投与用量依存的に増大することが明らかとなった。このTPTD投与による骨微細構造ならびに骨コラーゲン配列の整調効果は、骨に加わる荷重散逸機構を促進することで骨の柔軟性の向上に寄与し、骨強度の改善に貢献していると考えられた。本解析によって、骨質の重要な要因である骨微細構造パターンや骨コラーゲン線維のトポロジー特性を可視化・定量評価することが可能となった。またTPTDの薬理効果として、生理的コラーゲン架橋の回復のみならず骨微細構造および骨コラーゲン線維の整調効果が、骨強度の改善に寄与することが明らかとなった。
【非会員共同研究者】高倉綾, 高尾亮子、徳永和明、松森はるか”

メールで問い合わせ

+5

コメント

タイトルとURLをコピーしました