[1-P2-PM11] 象牙芽細胞におけるGsタンパク質共役型受容体の発現と三叉神経節細胞―象牙芽細胞間の細胞間連絡

Author: 〇齋藤 菜月1、木村 麻記2、黄地 健仁2、澁川 義幸2、一戸 達也1
Affiliation: 1東京歯科大学歯科麻酔学講座、2東京歯科大学生理学講座
Abstract: 象牙芽細胞は多量の細胞内cAMPの存在が報告されているが、象牙芽細胞機能におけるcAMPの役割は不明である。また、歯髄炎症反応は神経終末から神経ペプチド放出(軸索反射)を生じると信じられているが、根拠は希薄である。本研究では象牙芽細胞の細胞内cAMPシグナルおよび三叉神経節細胞から象牙芽細胞への細胞間連絡を細胞内cAMPレベル記録により検討した。象牙芽細胞と三叉神経節細胞は新生仔ラットから急性単離することで得た。象牙芽細胞に免疫蛍光染色を行った。象牙芽細胞にcAMP sensorを加え、細胞内cAMPレベルを測定した。Ca2+指示薬を負荷した三叉神経節細胞とcAMP sensorを加えた象牙芽細胞を共培養した。三叉神経節細胞に微小ガラス管を用いて機械刺激を行い、その機械刺激によって生じる象牙芽細胞の細胞内cAMPレベル変化を記録した。象牙芽細胞は抗Gsタンパク質共役型受容体抗体に陽性を示した。象牙芽細胞へのアデニル酸シクラーゼ作動薬の投与で細胞内cAMPレベルは濃度依存性に増加した。その増加は反復投与により減少した。Gsタンパク質共役型受容体であるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体、パラトルモン受容体のアゴニスト投与で細胞内cAMPレベルは増加した。これらの増加はそれぞれの受容体の選択的アンタゴニスト、アデニル酸シクラーゼ阻害薬の投与で有意に抑制された。三叉神経節細胞への機械刺激は周囲の象牙芽細胞の細胞内cAMPレベルを増加した。象牙芽細胞にGsタンパク質共役型受容体が発現しており、アデニル酸シクラーゼの活性化が細胞内cAMPレベルを増加することが示された。CGRP受容体、パラトルモン受容体の活性化はアデニル酸シクラーゼを活性化し、細胞内cAMPレベルを増加すると示唆された。三叉神経節細胞から象牙芽細胞への細胞間連絡の存在が示唆された。

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