[1-P2-PM14] 咬合異常により惹起された慢性交感神経刺激状態による心機能障害に対する抗ヘルペス薬(ビダラビン)の予防効果

Author: 〇早川 佳男1、大貫 芳樹2、吹田 憲治2、石川 美紗緒3、伊藤 愛子4、松尾 一朗5、清本 賢一5、角田 通則5、河原 博1、奥村 敏2
Affiliation: 1鶴大 歯 麻酔、2鶴大 歯 生理、3鶴大 歯 解剖1、4鶴大 歯 矯正、5鶴大 歯 歯周病
Abstract: [背景]咬合異常などの口腔内のストレス増加による交感神経の慢性的な活性化は、心疾患を惹起させる因子の1つとして注目されている。先行研究より抗ヘルペス薬としてヒトへの投与が認可されているビダラビンは、心臓型(5型)アデニル酸シクラーゼ(AC)阻害作用をもつことを報告している。そこで我々は「慢性交感神経刺激状態による心機能障害に対して、ビダラビンは有用な治療薬になる」という仮説をたて、その検証を試みた。[目的]マウス咬合異常(Bite-opening:BO)モデルでは、BOによる口腔のストレスに起因する慢性交感神経刺激状態により心機能障害が誘導される。本研究ではBOモデルに心臓型AC遮断薬(ビダラビン)を併用投与するとその効果が抑制されるという仮説をたて、本仮説の検証を試みた。[方法]雄16週齢のC57BL/6マウスを1)コントロール群、2)BO群、3)ビダラビン投与群(15mg/kg/day)、4)BO+ビダラビン投与群の4群に分けた。実験開始日より13日後に心機能評価行い、14日後に心臓を摘出し、生理学、組織学、分子生物学的手法を用いてBOに起因する心臓線維化、アポトーシス、酸化ストレスならびにタンパク発現に及ぼす影響とビダラビンによる抑制効果を検討した。[結果]心機能はコントロール群に比較してBO群で有意に低下していたが、その効果はビダラビンの併用投与で有意に抑制された(P < 0.05)。心臓線維化領域、アポトーシス陽性心筋細胞、酸化ストレス陽性心筋細胞の割合はBO群ではコントロール群に比較して有意な増加が見られたが、その効果はビダラビンの併用投与で有意に抑制された (P< 0.05)。発現タンパクの解析により線維化、アポトーシス、酸化ストレス、Ca2+取込みに関わる分子がBO群ではコントロール群に比較して有意な増加が見られたが、その効果はビダラビンの併用投与で有意に抑制された (P < 0.05)[結語]ビダラビンは咬合異常に起因する心機能障害の有用な治療薬になる。

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