[1-P2-PM17] 気管平滑筋におけるメラトニン受容体MT2の発現と細胞内シグナリング機構

Author: 〇佐々木  晴香、水田 健太郎
Affiliation: 東北大 院歯 歯科口腔麻酔
Abstract: “【目的】気管支喘息の臨床症状は概日リズムの影響を受ける。概日リズム形成を担うメラトニンの夜間血中濃度は喘息患者で有意に高いが、メラトニンと気管支喘息の相関性は不明である。喘息の主病態である気管支平滑筋の収縮は一般にGqまたはGi蛋白共役型受容体を介して生じる。メラトニン受容体群(MT1, MT2)もGq、Gi蛋白共役型受容体であり、気管平滑筋収縮に寄与している可能性が高い。そこで本研究では、気管平滑筋上でのメラトニン受容体の発現、及びメラトニンによる気管支収縮機構の細胞内機序について検討した。
【方法】(1)ヒト気管平滑筋組織・細胞(HASM)におけるメラトニン受容体の発現をRT-PCR法及び免疫組織化学染色により検索した。(2)HASMにおけるcAMP産生作用がメラトニン投与により抑制されるか、また抑制作用がGi蛋白阻害剤(百日咳毒素)の前投与、メラトニン受容体のknockdownにより阻害されるかをELISA法で評価した。(3)アセチルコリンによる細胞内Ca2+濃度([Ca2+]i)上昇作用がメラトニンにより増強されるか、またその作用が百日咳毒素により抑制されるかをFluo-4負荷HASMで評価した。
【結果】(1)ヒト気管平滑筋組織・細胞におけるMT2の発現が確認された。(2)cAMP産生作用はメラトニン投与により有意に抑制された。またこの抑制作用は百日咳毒素の前投与、及びMT2のknockdownにより有意に阻害された。(3)アセチルコリンによる[Ca2+]i上昇作用はメラトニン投与により有意に増強された。またこの増強作用は百日咳毒素により有意に抑制された。
【考察】ヒト気管平滑筋におけるMT2受容体の発現が確認された。メラトニンはGi蛋白共役型MT2受容体を刺激し、cAMP産生抑制及び[Ca2+]i上昇増強シグナルを介して気管平滑筋収縮に寄与する可能性が示唆された。”

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