[1-P2-PM20] 歯周病原細菌感染によるマウスの行動変化の免疫学的解明

Author: 〇岸川 咲吏1、永尾 潤一1,2、豊永 憲司1、根来ー安松 香奈江1、田中 芳彦1,2
Affiliation: 1福歯大 感染生物、2福歯大 口腔医学セ
Abstract: 歯周病は若年者から高齢者まで幅広い世代に存在する感染症の一つである。歯周病は歯肉の炎症とそれに続く歯槽骨吸収により歯を喪失する最も大きな原因であるが、口腔組織だけでなく、脳や心臓などの他の臓器にも様々な影響を与えることが広く知られている。最近では高齢者の歯周病罹患患者は非罹患患者に比べて認知症リスクが高いことや、認知症患者は認知症発症前に不安や抑うつなどの精神障害を起こしやすいことが明らかになっている。これら精神障害の発症には免疫細胞が関与しているとの報告もあるが、歯周病原細菌感染が若年者の脳に与える神経免疫学的なリスクについてはよく分かっていない。そこで我々は、若年者が長期にわたって歯周病に罹患すると脳に神経免疫学的な変化が起きることで精神障害が誘導され、認知症発症の基盤が形成されるのではないかと仮定した。若年者の脳に対する歯周病原細菌感染のリスクが明らかになれば、新たな予防法の提唱や治療法の開発、さらにQOLの上昇に繋がると期待できる。我々は、歯周病原細菌の一つであるPorphyromonas gingivalis W83株を用いてマウス歯周病モデルを構築してきた。本研究では、P. gingivalis 感染によるマウス歯周病モデルを活用し、若年齢マウスの脳組織に対するP. gingivalis 感染の影響と、その影響によるマウスの行動変容に着目して、歯周病菌感染による脳組織への免疫学的影響を明らかにすることを目的とする。本発表では、P. gingivalis 感染マウスの行動変化とそれに基づく今後の解析について報告する。

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