[1-P2-PM21] Porphyromonas gingivalis の線毛成分をコードする遺伝子の多様性分析

Author: 〇榮 宏太朗1,2、永野 恵司3、古橋 実結菜4、長谷川 義明1
Affiliation: 1愛院大 歯 微生物、2愛院大 歯 歯内治療、3北医療大 歯 微生物、4愛院大 歯 小児歯
Abstract: グラム陰性嫌気性細菌Porphyromonas gingivalis は、歯周病の発症や進行に強く関連する。本菌は、通常、FimAおよびMfa1と呼ばれる2種類の線毛をもつ。両線毛は、主要タンパク質であるFimAおよびMfa1に加え、fimA およびmfa1 の下流から発現する4つの微量成分(FimB~FimEおよびMfa2~Mfa5)により構成される。fimA には5つの遺伝子型が存在し、遺伝子型と病原性との間に関連性が認められることが報告されている。一方、mfa1 については、現在mfa153 およびmfa170 型の2つの遺伝子型が報告されているが、病原性との関連は明らかにされていない。また、mfa クラスターの下流に位置するragA およびragB にも多型が存在することが報告されている。そこで本研究では、P. gingivalis のゲノム未解読の12株と、ゲノムが公開されている62株(計74株)のmfa1mfa5fimAfimE 、およびragA/ragB の遺伝子多型について解析した。mfa1 遺伝子型は、mfa153 およびmfa170 型に分類されたが、mfa170 型は、さらに、2つのサブタイプ(mfa170A およびmfa170B 型)に分類された。また、mfa2mfa4 にも多型が認められ、それらの遺伝子型はmfa1 の遺伝子型と一致した。ただし、70型のサブタイプは認められなかった。一方、mfa5 は、他の遺伝子型とは独立し、5つの遺伝子型に分類された。また、mfa5 がタンデムに存在する株が認められた。mfa1 型は、ragA/ragB 遺伝子型と相関する傾向がみられたが、fimA 型との相関は認められなかった。本研究から、Mfa1線毛の遺伝子型と病原性との関連の解析には、mfa1 型だけではなく、線毛の微量成分や他の遺伝子の多型との関連性について検討する必要があると考えられる。

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