[1-P2-PM24] Lactococcus lactisが産生するNisin AのClostridioides difficile への効果について

Author: 〇井手 規暁1,3、松尾 美樹2、Le Mi Nguyen Tra2、西 裕美3、小松澤 均2
Affiliation: 1広大 院医 歯 歯科医学教育、2広大 院医 歯 細菌、3広島大 病院 口総診
Abstract: 抄録目的:Crostridioides difficileは腸内細菌の一つであり、世界中の病院における抗菌薬関連下痢症を惹起することで知られている。C. difficile感染症の治療法として、バンコマイシンとメトロニダゾールなど抗菌薬が用いられる。しかし、本菌は芽胞形成菌であること、さらに薬剤耐性菌の出現が近年問題となっており、本菌による感染症対策は重要な課題である。本研究では、抗菌薬にかわる治療法として、抗菌性ペプチドであるナイシンAの効果について検証した。材料と方法:方法は標準株であるC. difficile JCM5243と臨床分離株10株を用いて、ナイシンA産生L. lactisを用いたDirect法と最小発育阻止濃度(MIC)法を用いたナイシンの感受性を検証した。さらにMIC法ではC. difficileの治療薬であるメトロニダゾールをはじめとした各種抗菌薬に対する感受性も検証した。さらにナイシンAによるC. difficileの芽胞に対する効果も検証した。結果と結論:感受性試験の結果、ナイシンAはC. difficile に対し抗菌効果を持つことが明らかになった。しかし、ナイシンAに対する感受性は標準株で32μg/ml、臨床分離株で2~4096μg/mlとその差が2000倍以上と多様性を認めた。ナイシンAは発芽したC. difficileに効果があることも確認した。本研究からナイシンはC. difficile に対して有効であることが明らかになった。しかし一部のC. difficile ではナイシンAに対する感受性が低かったことから、ナイシンAに対する耐性因子が存在することも示唆された。【会員外共同研究者】:河口 浩之(広島大学・歯科医学教育学講座)

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