[1-P2-PM27] Streptococcus mutansにおけるバクテリオシン産生遺伝子群の挿入に伴うバクテリオシン耐性因子の遺伝子再構成について

Author: 〇Le Nguyen Tra Mi、松尾 美樹、小松澤 均
Affiliation: 広大 院医系 細菌学
Abstract: “MutacinとナイシンAはそれぞれStreptococcus mutansLactococcus Lactisが産生するバクテリオシンであり、生体内において他の細菌と競合するための因子である。S. mutansにおいて、NsrXがナイシンAに対する耐性因子であることが報告されているが、NsrXを持たない株もナイシンAに耐性を示すことがある。私たちはS. mutansにおけるナイシンAの耐性に関与する因子を網羅的に解析し、併せてMutacin耐性への関与も検討した。本研究に先立って分離した124株の全ゲノム解析の結果、ナイシン耐性に関与する領域(Nsr領域)はmutFEG, nsrXおよびmutXYZの3つの耐性因子の保有状況により、6つのタイプに分類した。Nsr-type D-1, D-III, EはそれぞれMutacin I, Mutacin II、B-Ny266(Mutacin IIIb)の合成遺伝子オペロンがNsr領域の上流に存在していた。NsrXはNisin Aに耐性を示したが3つのMutacinの感受性には影響がなかったが、新規因子であるMutXYZはMutacinに耐性を示したが、Nisin Aには耐性を示さなかった。MutFEGは3つのタイプがあり、α型はNsr-type CとD-I、β型はNsr-type BとIII、γ型はtypeEが属し、α型はMutacin Iの耐性に関与し、βとγ型はMutacin III, B-Ny266, Nisin Aの耐性に強く関与していた。私たちの研究により、バクテリオシンの存在がどのように耐性因子の遺伝子の再構成をもたらし適応するかが明らかにした。このことは今後の系統解析におけるマーカーとしての有用性が示された。”

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