[1-P2-PM28] Streptococcus mutansが産生するバクテリオシンの包括的解析

Author: 〇渡邉 温子1、松尾 美樹2、りー みー2、小松澤 均2
Affiliation: 1鹿大 院医歯 矯正、2広大 院医 細菌
Abstract: 【目的】う蝕原因菌で、口腔常在細菌の一つであるStreptococcus mutans (以下Sm)は細菌に対して抗菌活性を示す複数のバクテリオシンを産生することが報告されている。しかし、これらのバクテリオシンを包括的に解析した研究はこれまでにほとんどない。そこで本研究では、Smの臨床分離株125株を用いて各バクテリオシン遺伝子(MutacinI-IV、K8およびSmb)の分布および各菌株が産生するバクテリオシンの抗菌活性について解析した。【方法】ボランティアの口腔から分離した125株のSmの全ゲノム配列を決定し、各バクテリオシン遺伝子(Mutacin I-IV、K8およびSmb)の分布を解析した。また、各菌株のバクテリオシン遺伝子の発現量を定量性PCRにて検証した。各菌株の他の口腔レンサ球菌種および口腔常在細菌種に対する抗菌活性については、direct法により検証した。【結果と考察】MutacinI、MutacinII、MutacinIIIの遺伝子配列と100%一致するバクテリオシン遺伝子を保有する菌株はそれぞれ17、5、2株見つかった。MutacinIIIに変異が2か所存在する株が5株あった。MutacinIV遺伝子保有株は67株あり、そのうち38株はMutacinIV遺伝子と100%一致し、29株は変異が存在した。MutacinK8遺伝子保有株23株およびMutacin Smb遺伝子保有株32株は、1株を除きすべての株でゲノム配列は100%一致していた。125株のSmのうち、84株(65.1%)は各バクテリオシン遺伝子の単独保有株であった。これらの菌株の口腔連鎖球菌および他の口腔細菌種に対する抗菌活性は保有するバクテリオシン遺伝子ごとに異なるパターンの抗菌活性を示した。以上の結果から個々のSm株がプラークの構成割合に影響を与える可能性が示唆された。

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