[1-P2-PM29] 歯周基本治療が歯周炎局所マイクロバイオームに与える影響

Author: 〇高倉 枝里子1、石原 和幸2
Affiliation: 1東歯大短大 歯科衛生、2東歯大 微生物
Abstract: “【目的】
歯周炎の病因には,ディスバイオーシスが重要な役割を果たすと考えられているが,マイクロバイオームの変化と病態の関わりについては未だ不明な点が多い。本研究では,歯周基本治療による歯肉縁下マイクロバイオームの変化の網羅的解析を試みた。
【方法】インフォームドコンセントを得た慢性歯周炎患者7名を対象とし,プロービングデプス5mm以上の歯周ポケット2箇所と,3 mm以下の健常部位1箇所をサンプル採取部位とした。歯肉縁下プラークサンプル採取は,初診時,歯周基本治療2週後および,4週後に行った。臨床パラメーターの記録は,初診時と4週後に行った。採取したサンプルから DNAを抽出し,16S rRNAのV3-V4領域塩基配列をMiseqにより決定した。それを基にoperational taxonomic unit (OTU)を決定し,Qiime2によりマイクロバイオームの比較を行った。
【結果と考察】
健常部位は, 歯周基本治療前後でα多様性および β多様性に変化が認められなかった。歯周炎部位では, 歯周基本治療によりOTU数の減少とβ多様性の変化が認められた。この変化は4週間後まで持続していた。歯周基本治療後は、歯周病原性を持つPorphyromonasTreponemaFusobacterium, Fretibacterium 等の有意な減少と,健常なデンタルプラークの主要な菌種であるActinomycesRothiaStreptococcus の有意な増加が認められた。これらの結果から,健常部位の歯肉縁下マイクロバイオームは,歯周炎部位と比較し高い安定性を有しており,歯周炎部位では,歯周基本治療によって歯周病原性を持つ細菌の存在量が減少し,歯肉縁下マイクロバイオーム組成が改善することが示された。
【会員外共同研究者】齋藤 淳,富田 幸代(東歯大 歯周)”

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