[1-P2-PM30] 口腔カンジダ症患者と非口腔カンジダ症患者由来のCandida albicansの性状の比較 

Author: 〇大内 千里1,2、長谷部 晃1
Affiliation: 1北大 院歯 口腔分子微生物学、2北大 院歯 口腔診断内科
Abstract: 口腔カンジダ症は口腔内の常在菌であるCandida属菌種による日和見感染であり、Candida菌は宿主の加齢や薬剤による免疫機能の低下、口腔乾燥や義歯の使用によって増殖し、口腔内の疼痛や味覚異常などの様々な症状を引き起こすことが知られている。しかし宿主側だけではなくCandida菌自体の違いもある可能性があるではないかと考え、口腔カンジダ症患者と非口腔カンジダ症患者由来のCandida albicansを用いて病原性を比較・検討することにした。対象は北海道大学病院歯科診療センターを受診し口腔内の疼痛等の症状を訴えカンジダ検査を実施した患者とした。歯科用ミラーにて舌背を10回程度擦過し採取したサンプルをCandida菌と特異性の高いクロモアガー培地に接種し48時間インキュベーターにて培養した。その結果、当センター診断基準に基づきコロニーが10個以上あったものを口腔カンジダ症、コロニーが検出されても10個未満であったものを非口腔カンジダ症と判断した。クロモアガー培地で検出されたC. albicansをサブロー液体培地で培養後、使用時まで冷凍保存した。これらの冷凍保存株を用いて以下の、1)寒天培地を用いた細胞外分泌酵素活性(アスパラギン酸プロテアーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ヘモリジン)の測定、2)PCRによる C. albicansの遺伝子型の同定、3)口腔上皮細胞系細胞のC. albicans刺激で誘導されるIL-8のELISA法による測定、ならびに4) C. albicansにより誘導される口腔上皮細胞系細胞への細胞死の誘導をLDHの測定で調べる方針とし、結果を比較して口腔カンジダ症患者と非口腔カンジダ症患者での病原性の違いを検討した。

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