[1-P2-PS05] 高骨代謝回転状態によるpodoplanin/PHOSPHO1陽性骨芽細胞の局在変化

Author: 〇中嶋 悠斐1,2、山本 知真也2,3、本郷 裕美2、Nasoori Alireza2、網塚 憲生2、長谷川 智香2
Affiliation: 1北大 歯 5年、2北大 院歯 硬組織発生、3陸自 真駒内
Abstract: 骨芽細胞は、骨基質形成や石灰化を営む一方、骨基質に埋め込まれて骨細胞へ分化する。しかしながら、骨基質形成・石灰化と骨細胞分化のタイミングがどのように調節されているかについては、未だ不明な点が多い。我々は、正常状態の骨組織において、骨芽細胞による骨基質石灰化と骨細胞分化が同時に生じるのか、また、骨代謝回転が上昇した場合、骨芽細胞の石灰化基質合成と骨細胞分化のタイミングが、正常状態と同様に生じるのかを明らかにする目的で、高骨代謝回転状態を呈するPTH間歇投与マウスを作成し、これらマウスの大腿骨を組織学的に解析した。その結果、正常マウスでは、骨基質石灰化を行うPHOSPHO1陽性骨芽細胞と、骨細胞に分化しつつあるpodoplanin陽性骨芽細胞の局在が一致せず、骨芽細胞による骨基質石灰化と骨細胞分化は異なるタイミングで生じていることが示唆された。一方、PTH間歇投与マウスでは、多くの骨芽細胞がPHOSPHO1とpodoplaninの陽性反応を示していた。詳細に観察すると、モデリングが生じる一次骨梁の領域では、骨芽細胞の基質石灰化と骨細胞分化は一致しなかったが、二次骨梁の骨リモデリングが生じる領域では、骨芽細胞の基質石灰化と骨細胞分化が一致していた。以上から、PTH間歇投与により高骨代謝回転状態を惹起すると、骨芽細胞による骨基質石灰化と骨細胞分化が促進するとともに、二次骨梁の骨芽細胞における骨基質石灰化と骨細胞分化が同時に誘導される可能性が推測された。

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