[1-P2-PS06] Porphyromonas gingivalis はマクロファージの細胞外小胞を介して胎盤・胎児の成長発育を阻害する

Author: 〇棚井 あいり1、福原 瑶子1、江口 傑徳2、河合 穂高3、池亀 美華1、岡村 裕彦1
Affiliation: 1岡大 院医歯薬 口腔形態、2岡大 院医歯薬 歯科薬理、3岡大 院医歯薬 口腔病理
Abstract: 歯周病はPorphyromonas gingivalis(Pg菌)を主とする歯周病原菌により惹起される慢性炎症である。近年,Pg菌か?胎児の成長障害に関与することか?わかってきたか?,その詳しいメカニス?ムは明らかて?ない。本研究では,Pg菌がマクロファージ由来の小胞(Mφ EVs)を介して胎盤・胎児の成長を阻害するか検討を行った。培養単球細胞(THP-1)をPMAでMφに分化させた後,Pg菌を4時間作用させ,抗菌剤処理により,細胞外のPg菌を除去した。エクソソーム不含培地でさらに48時間培養し,上清中からPg菌感染 Mφ EVs (Pg-inf Mφ EVs)を回収した。Pg-inf Mφ EVsを妊娠マウスに尾静脈内投与した。蛍光標識したPg-inf Mφ EVsとバイオイメージングシステムを用いて生体内の動態を解析した。胎盤・胎児は質量分析,プロテオーム解析と細胞組織学的手法等により解析した。Pg-inf Mφ EVs投与群の胎盤・胎児は著しく阻害された。Pg-inf Mφ EVsの組織への集積量は形成阻害の程度に関連性がみられた。投与群の胎盤では血管や血管関連因子が抑制された。また,投与群の胎児の骨格標本を作製し,alcian blue染色とalizarin red染色を行ったところ,骨格形成や骨化度の遅延がみられた。以上の結果,Pg-inf Mφ EVsは胎盤・胎児に移行し,それらの成長を抑制することが分かった。これらの所見から,Pg菌はマクロファーシ?の細胞外小胞を介して胎盤・胎児の成長発育を阻害すると考えられる。
この内容は令和3年度SCRP日本代表選抜大会で発表したものです。
学会員外共同研究者 植田幸嗣(公益財団法人?がん研究会 がんプレシジョン医療研究センター)

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