[2-P1-P05] Porphyromonas gingivalis標準菌株の再検証

Author: 〇才木 桂太郎、田代 有美子、山中 幸、高橋 幸裕
Affiliation: 日歯大 生命歯
Abstract: 【目的】慢性歯周炎の原因菌の一つであるPorphyromonas gingivalisはグラム陰性の偏性嫌気性菌である。P. gingivalisは糖非分解性であり、細胞内に取り込んだジおよびトリペプチドを唯一のエネルギー源として増殖する。従ってタンパク質を唯一のエネルギー源とする最小培地はP. gingivalis自身が分泌するプロテアーゼに依存したP. gingivalisの増殖性の検証に使われてきた。しかしP. gingivalisの最小培地での増殖実験は再現性がないことが指摘されていた。本研究はこの再現性がない原因について検証を行った。【方法】W83とATCC 33277はP. gingivalisの標準菌株である。他の研究室で保存されている1菌株のW83と計6菌株のATCC 33277を分与して頂き、当研究室の保存菌株と合わせた2菌株のW83と7菌株のATCC 33277の種々の最小培地における増殖を比較検証した。【結果】すべての9個の標準菌株はLF (Lactalbumin-Ferric chloride)最小培地,GC (bovine γ-immunoglobulin G-Calcium chloride)最小培地そしてmC (milk-Casein) 最小培地で増殖した。しかしBSA(bovine serum albumin)を唯一のエネルギー源とする種々の最小培地では2菌株のW83と2菌株のATCC 33277が増殖性の違いを示した。また複合培地では2菌株のATCC 33277が増殖因子であるメナジオンに対して異なる要求性を示した。結局、調べた13種の培地すべてで同様の増殖を示したのはATCC 33277の4菌株だけであった。【結論】エネルギー源としてBSAを用いた最小培地ではP. gingivalisの増殖実験の再現性が得られない場合があり、それはW83菌株間とATCC 33277菌株間の違いが原因であることが示された。

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