[2-P1-P24] 口腔内細菌脂質成分の自然免疫活性化能の解析

Author: 〇豊永 憲司1、永尾 潤一1,2、岸川 咲吏1、田中 芳彦1,2
Affiliation: 1福歯大 機能生物 感染生物、2福歯大 口腔医学セ
Abstract: 免疫応答において重要な役割を担うマクロファージや樹状細胞といった骨髄系細胞には、病原体センサーとして様々な自然免疫受容体が発現している。これらの受容体は、病原体関連分子パターンを介して病原体を認識することから、パターン認識受容体とも呼ばれ、Toll様受容体やNOD様受容体、RIG-I様受容体などがよく知られている。そのリガンドは、病原体特有のタンパク質や核酸、糖鎖など多岐にわたるが、近年になって、糖脂質などの脂質成分を認識する受容体群の存在も明らかとなってきた。一方で、口腔内には、歯周病やう蝕の原因となる様々な病原微生物が存在することが知られているが、これらの病原微生物が宿主免疫を介して病態形成に至る機構には不明な点が多い。例えば、歯周病の代表的な原因細菌として知られるPorphyromonas gingivalisは、Toll様受容体のリガンドであるLPSの活性が他のグラム陰性菌と比べて低いことや、自身の持つタンパク質分解酵素を介した宿主免疫回避機構を有することが報告されており、免疫応答活性化の詳細な機構はよく分かっていない。そこで我々は、宿主免疫活性化を誘導する候補成分として、これまであまり解析されてこなかった口腔内細菌の脂質成分に着目した。クロロホルムなどの有機溶媒を用いて菌体から脂質成分を抽出し、薄層クロマトグラフィーによる生化学的な解析を行なった。本演題では、口腔内細菌の脂質成分や、その自然免疫活性化能について議論したい。

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コメント

  1. 桑田啓貴 より:

    昭和大学の桑田ともうします。
    PG菌のどのような成分が口腔内の自然免疫細胞活性に重要とお考えでしょうか。
    どのような脂質成分でしょうか。
    もし、何か候補成分のようなものがあれば、お教えください。
    どうぞよろしくお願いいたします。

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