[2-P1-P25] 歯周病発症を制御する免疫制御機構の解明

Author: 〇永尾 潤一1,2、岸川 咲吏1、豊永 憲司1、根来(安松) 香奈江1、田崎 園子1、田中 芳彦1,2
Affiliation: 1福歯大 機能生物 感染生物 、2福歯大 口腔医学セ
Abstract: 歯周病は口腔内のデンタルプラーク中の歯周病原細菌による感染症で、歯の喪失の最も大きな原因となる。歯周病の病態形成にはサイトカインIL-17産生を特徴とするTh17細胞による宿主の免疫応答が関与し、歯槽骨の吸収を誘導することで病態を増悪化させることが分かってきている。しかしながら、歯周病の病態形成に関わるTh17細胞の分化を誘導する抗原や責任Th17細胞のT細胞受容体など、歯周病の病態形成に関わる免疫制御機構はよく分かっていない。歯周病の病態形成におけるTh17細胞の制御機構を解明し、得られた成果を基にTh17細胞の分化を制御することができれば、歯周病に対する新たな予防・治療法の開発に繋がると期待される。我々はこれまでに、歯周病との関連性が高いRed complexに分類される歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalis W83株を用い、P. gingivalis感染によるマウス歯周病モデルを構築している。構築したマウス歯周病モデルにおいて、IL-17の中和抗体およびTh17細胞の転写因子のアンタゴニストを投与した結果、歯周病の病態形成が抑制されることを明らかにした。これらのことから、構築したマウス歯周病モデルにおいて、IL-17およびTh17細胞が重要であることが示唆された。さらに、マウス歯周病モデルを基盤とし、Th17細胞の分化誘導に重要な歯周病原細菌のT細胞抗原およびTh17細胞のT細胞受容体に着目し、歯周病の病態形成におけるTh17細胞の制御機構を解析したので報告する。

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コメント

  1. 桑田啓貴 より:

    昭和大学の桑田と申します。
    質問があります。
    PG菌が、歯周組織において、Th17を特異的に誘導できるということでしょうか。
    もし、特異的に誘導できるとしたら、どのようなメカニズムによるとお考えでしょうか。
    何卒よろしくお願いいたします。

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  2. 大塚邦紘 より:

    徳島大学の大塚と申します。
    桑田先生と同様の質問になりますが、IL-6やTGF-βで分化誘導をかけているのでしょうか。
    かけていないとすれば、PG抗原を貪食したDCからCD4 Tになんらかの作用が働いていると考えられるのでしょうか。
    よろしくお願いいたします。

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