[2-P2-P45] CCN6は口腔がん細胞の上皮間葉転換と破骨細胞形成を抑制する

Author: 〇芳地 浩彰1、西田 崇1,2、滝川 正春2、久保田 聡1
Affiliation: 1岡山大 院医歯薬 口腔生化、2 岡山大 院医歯薬 歯先端研セ
Abstract: 口腔粘膜や舌表皮を原発巣とする口腔がんは、近接組織である顎骨に浸潤しやすいことがよく知られている。これには口腔がん細胞が上皮間葉転換 (EMT) によって運動性を獲得することと骨破壊を促す破骨細胞を活性化させる必要がある。しかし、EMTと破骨細胞形成を共に制御する分子は未だ明らかにされていない。我々は、EMTと破骨細胞形成を制御する分子を探索するため、上皮系細胞の表現型を有するヒト口腔がん細胞株HSC2と上皮系細胞と間葉系細胞の表現型を有するHSC3細胞を比較し、HSC2細胞がCellular Communication Network factor 6 (CCN6) を高産生していることを明らかにした。そこで、EMTに影響を与えるBone morphogenic protein 2 (BMP2)とCCN6タンパク質をHSC3細胞に添加したところ、上皮系マーカーであるE-cadherinの産生量はCCN6とBMP2の両方で増加し、間葉系マーカーであるVimentinの産生量は減少した。また、興味深いことに、CCN6とBMP2を同時に添加すると、E-cadherinの産生量はさらに増加した。これらの結果から、我々はCCN6とBMP2間に分子間相互作用があると考え、IP-Western blot法で調べた結果、予想通りにCCN6はBMP2と結合した。一方、骨吸収を担う破骨細胞の形成におけるCCN6の作用を解析したところ、CCN6はRANKLによって誘導される破骨細胞の形成を抑制した。さらに、我々は、CCN6がRANKLとも結合することをIP-Western blot法で示した。これらの結果は、CCN6がBMP2と協調してEMTを抑制すること、また、RANKLとも結合して破骨細胞形成を抑制することを示唆している。

メールで問い合わせ

0

コメント

タイトルとURLをコピーしました