[3-P1-P103] Porphyromonas gingivalis 由来LPSの慢性投与で発症する心機能障害に対する心臓型アデニル酸シクラーゼの抑制効果

Author: 〇角田 通則1、大貫 芳樹2、吹田 憲治2、松尾 一郎1、早川 佳男3、清本 賢一1、森井 彰仲1、成山 明具美4、五味 一博1、奥村  敏2
Affiliation: 1鶴大 歯 歯周病、2鶴大 歯 生理、3鶴大 歯 麻酔、4鶴大 歯 小児歯
Abstract: 【目的】歯周病患者は交感神経活性が亢進していることが臨床研究で報告されている。慢性的な交感神経活性の亢進は心疾患を誘発する。抗ヘルペス薬ビダラビン(Vid)は心臓型アデニル酸シクラーゼを選択的に阻害することで、交感神経活性亢進による心機能障害を抑制する。本研究では歯周病患者の血液中に検出されるPorphyromonas gingivalis由来Lipopolysaccharide(PG-LPS)と同等の歯周病モデルマウスを作製し、PG-LPSによる心機能障害に対するVidの抑制効果を検討した。【方法】C57BL/6/Jマウス (オス12週齢)を、1) PBS投与群(Control群)、2) PG-LPS (0.8mg/kg/day:腹腔内投与) 投与群 (LPS群)、3)ビダラビン投与群(15mg/kg/day:浸透圧ポンプ投与:Vid群)、4) LPSとビダラビンの併用投与群 (LPS+Vid群) の4群に分けた。浸透圧ポンプのマウスへの埋め込み手術はLPSの投与開始3日前に行い、LPS投与開始から7日後にイソフルレンによる吸入麻酔下で心エコーを用いて心機能測定を行った。実験終了後に心臓を摘出し、Masson-trichrome染色を行い、心筋線維化領域の評価を行った。【結果】1) Control群に比較しLPS投与群での心機能は有意に低値を示した。しかしながらビダラビンを併用したLPS+Vid群での心機能の低下は有意に抑制された。2)心筋線維化領域(Masson-trichrome染色)はLPS群では有意に増加したが、LPS+Vid群では心筋線維化領域の増加は有意に抑制されていた。[結論] PG-LPSの投与による心機能障害はビダラビンの投与により抑制された。この結果は心臓型アデニル酸シクラーゼの抑制は歯周病に合併する心疾患の治療への有効性を示唆している。

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