[3-P1-P72] MyD88は雌NODマウスの唾液腺においてインターフェロン制御遺伝子の発現に関与する

Author: 〇森 大気、片岡 嗣雄、引頭 毅
Affiliation: 朝日大 歯 口腔微生物
Abstract: 【目的】シェーグレン症候群(SS)は全身性自己免疫疾患の一つであるが、特にリンパ球浸潤を伴う慢性炎症に起因して唾液腺や涙腺の機能障害を呈するのが特徴である。雌のnon-obese diabetic(NOD)マウスは、SS様の炎症性唾液腺病変を自然発症するモデルマウスであり、我々はこれまでに、自然免疫系のシグナル伝達を担う分子MyD88の遺伝子を雌NODマウスから欠失させると、リンパ球浸潤の発生頻度や炎症性サイトカインの産生が減少することを報告してきた。本研究では、Myd88欠損が雌NODマウスの唾液腺におけるSS様症状初期の遺伝子発現に与える影響を解析したので報告する。
【方法】10週齢雌の野生型NODマウスおよびMyd88欠損NODマウスから顎下腺を摘出し、全RNAを抽出してマイクロアレイ解析に供した。マイクロアレイデータセットから、Myd88欠損マウスにおいて発現差のある遺伝子群(DEGs)を特定し、オープンデータベースなどを利用したインフォマティクス解析を行った。
【結果・考察】Myd88欠損マウスにおいてCxcl9Bpifa2などのSS関連遺伝子を含む230個のDEGsが見出された。GOエンリッチメント解析を行った結果、DEGsの多くは免疫学的プロセスに関与する遺伝子であることが明らかになった。またKEGGによるパスウェイ解析から、DEGsが全身性エリテマトーデスや関節リウマチなどの自己免疫疾患にも関連していることが示唆された。さらにINTERFEROMEデータベースによる解析から、DEGsは149個のインターフェロン(IFN)制御遺伝子を含むことが明らかになった。
【結論】MyD88は雌NODマウスの唾液腺におけるSS様症状の初期段階において、IFNに関連した免疫学的プロセスに関わる遺伝子群の発現に関与することが示唆された。

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