[3-P1-P76] phorbol 12-myristate 13-acetate (PMA)によるNephronectin遺伝子発現抑制はPKCシグナル伝達経路を介して行われる

Author: 〇木下 三博、山田 篤、上條 竜太郎
Affiliation: 昭和大 歯学部 口腔生化学
Abstract: 細胞外マトリックスタンパク質Nephronectin (Npnt) は、生体内の様々な組織、なかでも腎臓・歯・骨などの器官形成や機能において重要な役割を果たしていることが知られている。Npntは骨形成を促進する作用を有することが知られており、Npntの発現制御に関する作用機序を解明することは、骨代謝における基礎的研究として肝要であると考えられる。本研究では骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1細胞におけるNpntの発現制御因子を検討する中で、protein kinase C (PKC) シグナルを活性化するphorbol-12-myristate 13 acetate (PMA)にNpntの発現を強く抑制する作用を有することを見出した。PMAはMC3T3-E1細胞の分化誘導を抑制し、Npntの遺伝子発現を濃度および時間依存的に抑制した。そこで、PKCシグナル伝達阻害剤Go6983を作用させたところ、PMAによるNpnt遺伝子発現の抑制が阻害された。PKCファミリータンパク質の中で、骨代謝への関与が報告されているPKCα の発現をsiRNAにより低下させた際のPMAによるNpnt遺伝子発現様式を検討したところ、Npnt遺伝子発現の抑制が阻害された。また、PKCシグナル伝達の下流に存在する転写因子c-Junおよびc-Fosの発現をsiRNAにより低下させた際のPMAによるNpnt遺伝子発現様式を検討したところ、Npnt遺伝子発現の抑制が阻害された。これらの結果からPMAによるNpntの遺伝子発現抑制はPKCシグナル伝達経路を介して行われることが示唆され、骨形成の細胞内メカニズムの一部が明らかとなった。

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