[3-P1-P83] 口内炎に関する基礎研究~ラット舌への炎症誘発~

Author: 〇竹内 麗理1、松本 裕子2、平塚 浩一1
Affiliation: 1日大 松戸歯 生化、2日大 松戸歯 薬理
Abstract: 【目的】口内炎は重度のものでは罹患者QOLを著しく低下させる疾患である。好発部位は舌、口唇、歯肉、頬粘膜であり、紅暈を有する円形から卵円形の小潰瘍で、表面に白色ないし黄色の偽膜を形成する。接触痛や刺激痛を伴い、罹患者に自覚的苦痛をもたらす。痛みのあまり食事不能となり摂取量の減少を引き起こし、コミュニケーション機能を低下させる原因にもなる。本疾患に関し臨床症状や病理組織像の報告は存在するが、原因は未だ不明であり、治療も対症療法のみである。また動物実験も確立されていない。本研究では、口内炎ラットモデルの開発を試みた。
【方法】セボフルラン麻酔下で、ラット舌表面に100℃に熱した六角棒スパナ(直径3mm、クロムモリブデン鋼製、株式会社エイト)を3秒間軽く接触させ、口内炎様症状を誘発した(実験群)。その後、舌の規格化写真およびヘマトキシリン・エオジン染色標本で病変部を経時的に観察した。対照には無処置ラットを用いた(対照群)。さらに、処置後7時間および3日後には舌組織からタンパク質を抽出し炎症性因子に関しウエスタンブロット解析を行った。
【結果】処置後1、7時間の病変部において水泡形成および上皮剥離を伴う潰瘍形成が認められ、3、5、7日では明らかな真皮への炎症性細胞浸潤が見られた。9日では上皮の修復が開始し、16、21日において上皮・結合組織が再生していた。また、処置後7時間および3日後にIL-1β、IL-4、IL-6、IL-10、TNF-αのタンパク発現を認めた。
【結論】本研究でおこなった手法は今後、口内炎の研究に役立つと考えられる。

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