[3-P1-P92] ラット耳下腺の顆粒形成・成熟と臓器アミラーゼ比活性の関係

Author: 〇加藤 治、横山 愛、吉垣 純子
Affiliation: 日大松戸歯 生理
Abstract: 【目的】これまで我々はラット耳下腺において分泌顆粒の成熟過程について検討してきた。ラット腹腔にβ受容体刺激薬であるイソプロテレノール(Isp)を投与し,5時間後に生成される分泌顆粒を未成熟顆粒として分離したが,顆粒形成後の変化が敏速に行われることが解明されてくると刺激時間だけで顆粒の成熟度を一定に保つことが困難であると考えられるようになった。そこでIsp刺激後の耳下腺アミラーゼ比活性を成熟度の指標の一つとするため,刺激時間と耳下腺臓器のアミラーゼ比活性,アミラーゼ比活性と顆粒精製量および唾液腺の形態観察との比較検討を行い,耳下腺分泌顆粒の成熟度の評価方法を再検討した。【方法】Ispはラット腹腔内に5 mg/kgで投与し,一定時間後に耳下腺を摘出した。耳下腺の一部は2%パラフォルムアルデヒド,2.5%グルタールアルデヒドで固定し,1μmの切片をトルイジンブルー染色後,分泌顆粒の観察を行った。残りの耳下腺ホモジネートよりアミラーゼ比活性を測定し,さらに分泌顆粒をパーコール遠心法にて分離精製した。【結果・結論】耳下腺のアミラーゼ比活性は注射2時間後,著しく低下し,5時間後から回復し始めた。しかしながら,刺激5時間後の臓器の比活性には個体間のバラツキが非常に大きかった。一方,耳下腺アミラーゼ比活性と顆粒形成量を示す顆粒精製時のタンパク質量には相関傾向が認められ,形態観察による顆粒形成量も比活性と同様の傾向を示した。今回の結果は刺激5時間付近の急激な分泌顆粒の合成と成熟を示しており,耳下腺アミラーゼ比活性が顆粒成熟過程を評価するための指標の一つになることが示唆された。

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