[3-P1-P96] アビジン-ビオチン結合を利用した低濃度センサータンパク質のバイオセンサー担体への固定化法の開発

Author: 〇仙葉 愼吾、ジャハン アズメリー、谷村 明彦
Affiliation: 北医療大 歯 薬理
Abstract: 【目的】我々は、独自に開発したカルボキシル基を付加したシリカ製不織布(COOH不織布)を用いた新規なバイオセンサー担体を開発した。この不織布のカルボキシル基とセンサー分子のアミノ基を架橋することで、様々なバイオセンサーを作成できる。しかし、この架橋反応で十分な蛍光を得るためには1 μM程度の濃度が必要であるため、蛍光タンパク質を使ったセンサーへの利用が困難であった。そこで本研究では、極めて高い親和性を持つアビジン-ビオチン結合を用いて、低濃度タンパク質を間接的にCOOH不織布に固定化する方法を開発した。【方法】異なる長さのリンカーとアミノ基を持つビオチンアミン(biotin-PEG4-NH2およびbiotin-PEG11-NH2)を、N-Hydroxysuccinimideと1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimideで活性化したCOOH不織布に架橋した。これに蛍光標識したストレプトアビジン(F-SAv)を反応させ、その結合量を蛍光プレートリーダーで測定した。【結果】ビオチンアミンを架橋した不織布に対するF-SAvの結合量は、より長いリンカーを持つbiotin-PEG11-NH2の方が約2倍多かった。biotin-PEG11-NH2を架橋した不織布に10 nMのF-SAvを間接固定すると、直接架橋による10 nMのF-SAvの8倍、1 μMのF-SAvの4倍の結合が確認された。【考察】センサータンパク質をビオチン化、あるいはアビジンと融合させることによって、低濃度でも効率よく不織布に固定できることが示唆された。現在、この新規固定法を用いて蛍光センサータンパク質を不織布に固定したバイオセンサーを作成しており、これを用いた蛍光共鳴エネルギー移動を利用した生体物質検出法の開発を行なっている。

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