[3-P2-P121] CGRPは破骨細胞分化を抑制する転写因子であるBcl6およびMafBの発現上昇を介して破骨細胞分化を抑制する

Author: 〇石塚 恭子
Affiliation: 愛院大 歯 薬理
Abstract: “【目的】感覚神経由来のニューロペプチドであるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は, 破骨細胞分化を抑制することが知られている. 近年, NFATc1が制御する転写抑制因子であるBlimp1は, 破骨細胞前駆細胞に発現する破骨細胞分化抑制因子(Bcl6, IRF8およびMafB)の発現を抑制し, 破骨細胞分化を促進することが示された. 一方, Bcl6, IRF8およびMafBは, NFATc1の転写活性を抑制し, 破骨細胞分化を抑制することも示された. この正と負の制御バランスが破骨細胞分化ならびに骨の恒常性維持において重要である. そこで, 本研究ではCGRPが破骨細胞分化抑制因子に及ぼす影響について検討した.
【方法】RAW264.7細胞にRANKLおよびCGRPを添加し, 24˜72時間培養した. 培養後, 定量的PCR法によりNFATc1, Blimp1, Bcl6, IRF8およびMafBのmRNA発現変動を解析した. また, Blimp1をノックダウンしたRAW264.7細胞において, CGRPの破骨細胞分化抑制効果に対するBlimp1の関与について検討した.
【結果】RAW264.7細胞において, 培養48時間後, CGRP はRANKLにより誘導されたNFATc1およびBlimp1のmRNA発現を有意に抑制した. また, RANKLにより減少したBcl6, IRF8およびMafBのmRNA発現はCGRPにより有意に増加した. さらに, CGRPを単独で添加したところ, Bcl6およびMafBのmRNA発現は培養2˜24時間の間で顕著に増加した. Blimp1をノックダウンしたRAW264.7細胞では, RANKLはNFATc1のmRNA発現を誘導し, その効果はCGRPにより抑制されなかった.
【考察】CGRPはBcl6およびMafBの発現を増加させることによりNFTAc1の発現を抑制し, 破骨細胞分化を抑制することが示唆された.”

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