[3-P2-P123] Annexin A5ノックアウトマウスは 咬合力誘導性の骨増大、エナメル質咬耗ならびに咬筋肥大を示す

Author: 〇出野 尚1、望月 文子2、小松 浩一郎1、中島 和久1、雨宮 俊彦3、新井 嘉則3、井上 富雄2、二藤 彰1
Affiliation: 1鶴大 歯 薬理、2昭大 歯 口腔生理、3日大 歯 放射線
Abstract: カルシウム依存性リン脂質結合タンパク質であるアネキシンファミリーの1つであるAnnexin a5(Anxa5)は、石灰化、力学的刺激応答や細胞膜修復に関わる機能を持つことが示唆されている。我々はこれまでAnxa5が、筋骨格における腱・靱帯骨付着部(enthesis)に発現し、筋張力誘導性のenthesisの石灰化を負に制御している可能性を示した。Anxa5が頭蓋の腱付着部や歯根膜組織にも発現が認められることから、今回Anxa5-欠損(Anxa5KO)マウスを用い顎口腔硬組織における機能を検討した。Anxa5KOマウスは全身骨格と同様、生後4週までは骨・歯に野生型と差違が認められないが、生後16週を過ぎると咬筋付着部の石灰化部分の膨隆と上顎臼歯部口蓋部の骨の膨隆が顕著に認められた。さらに、臼歯エナメル質の咬耗が過大になり、また咬筋の肥大が観察された。次に、これらの変化には臼歯部咬合力が関与すると仮説をたて、片側の下顎臼歯を破砕し咬合力の影響を除去する実験をおこなったところ、非咬合側の咬筋付着部石灰化領域、臼歯部口蓋部の骨の膨隆が減少していた。これらのことから、Anxa5は、過大な咬合力に伴う骨ならびに腱付着部の増大、エナメル質の咬耗を抑制的に制御し、顎口腔硬組織の維持に必須である可能性が示唆された。                         

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