[3-P2-P124] マウス脛骨骨端板軟骨のseptoclastにおけるintegrin α2の局在

Author: 〇坂東 康彦1、小野澤 豪1,2、長坂 新1、崎山 浩司1、天野 修1
Affiliation: 1明海大 歯 解剖、2明海大 歯 口腔顎顔面外科
Abstract: 【目的】septoclastは長管骨骨端板骨軟骨境界部で成長性の毛細血管に隣接して存在する単核・紡錘形の細胞で、非石灰化軟骨基質である横隔に突起を伸ばしその吸収に関与する。我々はこれまでに、septoclastが表皮型脂肪酸結合タンパク(E-FABP)を特異的に発現し、pericyteに由来することを示した。pericyteに軟骨基質の成分であるII型とX型collagenに接着するintegrin α2β1が発現するという報告があることから今回我々はseptoclastとpericyteにおけるintegrin α2の局在を調べ、軟骨基質との関連について考察した。【方法】生後2-3週齢のddYマウス膝関節矢状断の凍結切片を作成し免疫組織化学的染色を行った。septoclastのマーカーとして抗E-FABP抗体(東北大学大和田祐二教授供与)、septoclastとpericyteのマーカーとして抗PDGFRβ抗体を用い、抗integrin α2抗体との蛍光二重染色を行い共焦点レーザー顕微鏡により観察した。抗PDGFRβ抗体と抗II型およびX型collagen抗体との二重染色を行いseptoclast/pericyteとII型およびX型collagenとの関連を調べた。また、透過型電子顕微鏡を用いてseptoclastと軟骨基質の関係を観察した。【結果と考察】integrin α2の局在はseptoclastに見られたが、pericyteには見られなかった。骨軟骨境界部の骨端板においてX型collagen は骨端板の横隔と縦隔ともに強い免疫陽性反応が見られseptoclastの突起の先端がX型collagenと接するのが観察された。II型collagenは縦隔に弱い免疫陽性反応がみられた。電子顕微鏡による観察からseptoclastの突起の先端の微絨毛が横隔に進入し、細胞体からは短い突起が縦隔に接しているのが観察された。以上の結果からseptoclastにおけるintegrin α2β1の局在がseptoclastと骨端板軟骨基質の接触に関与していることが示唆された。

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